バイオ医薬品のCSL、米イリノイ州で15億ドル規模の工場拡張に着工

(米国)

シカゴ発

2026年03月13日

米国イリノイ州のJ.B.プリツカー知事(民主党)とイリノイ州商務経済機会局(DCEO)は3月9日、バイオ医薬品大手のCSL(本社:オーストラリア)が、同州カンカキー市にある同社のキャンパスに約15億ドルを投じ、製造施設の拡張に着工したと発表した。これにより300人の新規雇用を創出し、既存の1,200人の雇用を維持する。製造施設は2031年までに稼働する見込み。今回の投資は、同州のライフサイエンス分野において最大規模の投資の1つとなる。

プリツカー知事は、今回の決定が「州のライフサイエンス製造分野に対する強い信頼の証し」と述べた。CSLは血漿(けっしょう)分画製剤の世界的需要拡大に対応するため、同拠点に最新鋭の製造技術を導入し、生産効率の向上を図る。新製造施設では、同社の主力商品である免疫グロブリン製剤ピリヴィジェンとハイゼントラの生産能力を増強する。また、同社として初めて血漿採取から充填(じゅうてん)・包装に至る製造プロセス全体が米国に完全導入されると同時に、イリノイ州の施設が米国における免疫グロブリン療法の需要の100%を供給する体制が整うとのことだ。

州の経済成長戦略に基づき、イリノイ州はライフサイエンスなどの重点産業の誘致を推進しており、直近では企業の拡張・移転実績が全米上位に入るなど評価も高い。なお、同州には1万5,000社を超えるライフサイエンス関連企業が集積し、研究開発から製造まで裾野が広い分野で活動をしている。

(星野香織)

(米国)

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