シップインターナショナル、日本式健康診断サービスを提供

(バングラデシュ、日本)

ダッカ発

2026年03月02日

日本の経済産業省の「医療国際展開カントリーレポート」によると、バングラデシュ人の平均寿命は74.3歳、健康寿命は64.3歳(2019年のデータ)で、バングラデシュにおける医療費への支出総額は2010年からの10年間で2倍近くの80億ドルに増える一方、政府の負担割合は20%未満にとどまった。非感染性疾患での死亡が7割を超え、このうち心血管疾患が4割近くを占める。

また同レポートによると、バングラデシュでの公的医療機関の診察料は安価だが、待ち時間が長く、中間所得層以上の国民は首都ダッカに集中する民間医療機関を利用する傾向にあるとされる。人口1万人当たりの医療従事者数は2021年時点で医師6.7人、看護師6.1人となっており、アジア大洋州地域の平均水準(医師14人、看護師30人)に比べ大幅に少ない。

このような状況下、バングラデシュで医療サービスを提供するシップインターナショナルホスピタル(2022年7月13日記事参照)会長の小島秀男氏と役員の熊﨑博司氏に、健康診断の取り組みなどについて話を聞いた(取材日:2026年1月20日)。

(問)バングラデシュ人はどのような持病を抱えているか。

(答)糖尿病と心血管系の患者が多く見られる。

(問)バングラデシュ特有の医療慣行はあるか。

(答)医師の処方なく、患者自らが好きな検査を受けることができてしまう。

(問)シップインターナショナルとほかの病院との違いは。

(答)日本人が計9人(心臓外科2人、看護師2人、臨床工学技士1人、理学療法士1人、事務員3人)が勤務し、日本の医療サービスの質を提供できるように努めている。一方、治療費は一般の民間医療機関の7割程度に抑えている。

(問)経営状況はどうか。

(答)黒字化を達成するには、8~10年程度かかると見込んでいる。初期投資が大きく、設備や建物の維持にもコストはかかる。

(問)健康診断を実施し始めた経緯は。

(答)健康診断は、公的医療機関では実施されていない。健康診断の意義も含め、日本で実施されているような健康診断のサービスをバングラデシュの人々にも経験してほしいという思いで始めた。

(問)実施している健康診断の特徴は。

(答)必須項目を含めて、メニューをパッケージ化し、安全かつ快適に健康診断を受けられるようシステム化している。また、健康診断の結果、懸念がみられる患者には、食生活の改善に向けて栄養士との面談を推奨している。患者の内訳は2025年の実績で、バングラデシュ人が6割、日本人が4割だった。

(問)今後の目標は。

(答)安心して頼られる存在になりたい。病に罹患(りかん)してから病院にかかるのではなく、日頃からの健康管理や予防を促進するため、将来的には健康予防センターも構築したい。

写真 熊﨑氏(左)、小島氏(中央)などが運営するシップインターナショナルホスピタル(ジェトロ撮影)

熊﨑氏(左)、小島氏(中央)などが運営するシップインターナショナルホスピタル(ジェトロ撮影)

(箕浦智崇)

(バングラデシュ、日本)

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