中部タインホア省で日系工業団地が起工、地方の工業化の進展や労働力確保に期待

(ベトナム)

ハノイ発

2026年03月13日

住友商事は311日、ベトナム中部タインホア省で第4タンロン工業団地の起工式を開催した。式典には、グエン・ゾアン・アイン・タインホア省党委員会書記や在ベトナム日本大使館の石川勇次席公使をはじめ日本とベトナムの官民関係者160人超が出席した。

住友商事は1997年に首都ハノイ市でタンロン工業団地を開業し、その後もベトナム北部を中心に工業団地を開発・運営している。今回の案件は、住友商事単独では、同国内4つ目の開発案件(注)となる。

式典のあいさつで、タンロン工業団地の川辺憲太社長は「タインホア省を選んだ理由は、優秀で豊富な労働力、高速道路をはじめとした交通インフラの充実、省の人民委員会のサポートの3点。省の発展と入居企業の成長に長きにわたり貢献したい」と意気込みを述べた。

タインホア省側も、「多くの製造業や、製造業周辺の支援産業の誘致が見込まれる。数千人規模の雇用創出、省の税収増加にも寄与する取り組みだ」と期待を寄せた。

今後は、第1期の167ヘクタールの工業用地を整備・開発していく。工場設立を検討する企業への相談には随時対応し、2027年春以降の区画引き渡し開始を予定している。

写真 起工式の様子(ジェトロ撮影)

起工式の様子(ジェトロ撮影)

タインホア省の発展に期待

タインホア省はハノイ市中心部の南約160キロに位置し、ハノイ市からの移動時間は車で2時間30分ほどだ。高速道路の開通に伴い、近年アクセスが容易になった。

同省の人口は370万を超えており、比較的低廉で豊富な労働力の確保が期待できる。近年、ハノイ市近郊のハイフォン市、フンイエン省などの地方省では外資系製造業の大型投資が相次ぐ影響でワーカーの採用難が深刻化するが、タインホア省ではまだ製造業の大型案件は限定的だ。

さらに、イオンモール・タインホアの開業が2026年後半に予定されており、現地住民だけでなく駐在員にとっても、生活環境の向上が見込まれる。

同省での日系企業の取り組みは、ベトナム地方都市の工業化と商業の発展の双方に寄与する新たな事例となりそうだ。

写真 建設中のイオンモール・タインホアの様子(ジェトロ撮影)

建設中のイオンモール・タインホアの様子(ジェトロ撮影)

(注)中部クアンチ省で、ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP、ベトナムとシンガポール両国の国営企業による合弁企業)、タイ資本のアマタシテイ・ビエンホアとの合弁事業でのクアンチ工業団地も開発している。

(萩原遼太朗)

(ベトナム)

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