米イリノイ州知事、施政方針演説と2027年度予算方針を発表

(米国)

シカゴ発

2026年03月02日

米国イリノイ州のJ.B.プリツカー知事(民主党)は2月18日、施政方針演説と2027年度(7月1日~6月30日)の予算方針を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。施政方針演説では、これまでに120億ドル超の債務削減、20億ドル超のレイニー・デー・ファンド(注)、9回の信用格付け引き上げを実現したとし、州経済が堅調な拡大基調を維持していると強調した。また、州は労働力、イノベーション、クリーンエネルギー、豊富な水資源、農地、教育・科学機関など多様な強みを持ち、2019年に全米30位だったビジネス環境ランキングが現在15位に上昇し、経済規模は1兆1,000億ドル超で全米5位となったと述べた。

一方、2026年度の予算に関しては、歳入増が鈍化する中で均衡予算を維持しつつ支出増を1%未満に抑えると説明し、財政規律を守り、教育、福祉、経済成長と雇用創出への投資は継続するとした。2027年度の予算案については、州民の生活費負担の軽減策の1つとして電気代の価格引き下げのため、州内での原子力発電の推進を挙げ、原子炉建設を加速させるよう州知事命令を出した。また、広範囲な増税を避けつつ税収を確保するため、新たに大型ソーシャルメディアへ課税する「ソーシャルメディア税」を提案した。これによって見込まれる2億ドルの税収は、教育分野に充てられる予定だ。ただし、連邦政府が今後メディケイド(低所得者向け医療保険)のような各種助成プログラムの補助金削減を計画していることから、この補填(ほてん)のために今後州の財政が圧迫されるという懸念が残っている。

(注)予期せぬ出費や急な収入減に備えて貯蓄しておく緊急資金。

(星野香織)

(米国)

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