EU、2025年も農産品・食品輸出入額が過去最高を更新、貿易協定も追い風に
(EU)
ブリュッセル発
2026年03月19日
欧州委員会は3月13日、EUの2025年の農産品・食品貿易報告書
を発表した(プレスリリース
)。2025年のEU域外への農産品・食品の輸出額は前年比1%増の2,384億ユーロ、輸入額は9%増の1,886億ユーロで、ともに過去最高を更新した。貿易収支は21%減(133億ユーロ)の499億ユーロの黒字となった。
輸出相手上位3カ国(金額ベース)には、英国(構成比:23%)、米国(12%)に続き、スイス(6%)が入り、中国(5%)は前年の3位から4位に後退した。日本は76億6,100万ユーロ(3%、前年比6%減)で、5位だった。英国、スイスへの輸出額は前年比でそれぞれ3%増、7%増となったが、米国と中国は主力品目の酒類や穀物などの輸出が減り、それぞれ6%減、5%減になった。他方、トルコやウクライナ、ノルウェーへの輸出額は2桁の伸び率を記録し、欧州委は「輸出先の多角化を維持している」と評価した。輸出上位3品目の順位に変化はなく、穀物調製品・粉製品(253億8,500万ユーロ)、乳製品(207億7,500万ユーロ)、ワイン・混成ワイン(164億1,800万ユーロ)だった。
輸入相手上位3カ国(金額ベース)は、ブラジル(構成比:10%)、英国(8%)、米国(7%)だった。前年3位のウククライナは、穀物や菜種といった品目の輸入額が半減するなどし、4位(6%、前年比19%減)だった。輸入上位3品目は、コーヒー・紅茶・カカオ・香辛料(415億4,700万ユーロ)、果物・ナッツ類(286億7,200万ユーロ)、油糧種子・マメ科作物(185億2,100万ユーロ)だった。前年同様、カカオ豆とコーヒーの価格上昇が続いたことが、輸入額全体を押し上げた。
FTAやEPAの締結が農産品・食品貿易の拡大に貢献
農産品・食品は2025年、EUの輸出全体の9%、輸入の7.5%、貿易黒字の37%を占め、EU経済全体にとって重要なセクターとなっている。報告書では、自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)締結による農産品・食品貿易の拡大への影響に着目した。2002~2025年にかけて、61カ国との協定が新たに発効し、農産品・食品輸出全体に占める協定締結国への輸出割合が2002年の43%から2025年は61%に、農産品・食品輸入全体に占める締結国からの輸入割合は26%から57%に拡大した。特に、2020年以降は協定を締結していない域外国と比較し、締結国への輸出は急速に拡大しているとして、協定締結の意義を強調した。
(滝澤祥子)
(EU)
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