米イェール・ベンチャーズと在ボストン日本総領事館、産学連携・イノベーションセミナーを開催

(米国)

ニューヨーク発

2026年03月05日

米国コネチカット州ニューヘイブンで2月26日、イェール大学の研究成果活用・技術移転組織であるイェール・ベンチャーズ(Yale Ventures)と在ボストン日本総領事館の共催で、大学発イノベーションと産学連携をテーマとしたセミナーが開催された。本イベントでは、イェール大学が推進する研究・技術移転の最新動向に加え、同大学が形成するイノベーション・エコシステムの特徴や、研究成果の社会実装を支える仕組み、地域との連携モデルなど、多岐にわたる取り組みについて幅広く情報が共有された。

写真 セミナーの様子(ジェトロ撮影)

セミナーの様子(ジェトロ撮影)

イェール・ベンチャーズからは、大学横断的にイノベーションを推進する体制や、研究者を支援するアントレプレナー・イン・レジデンス(EIR)ネットワーク、複数の大学内ファンドの役割など、研究成果の社会実装を支える仕組みが紹介された。特に、量子研究とライフサイエンスの融合を目指すクオンタムCT(QuantumCT)プロジェクトや、創薬・神経科学・工学など多分野にまたがる研究支援が強調され、イェール大学の強みを示す内容として注目を集めた。

また、セミナー後半では、日本の製薬企業、研究機関がそれぞれの重点領域や米国拠点での産学連携の事例を紹介した。日本医療研究開発機構(AMED)は国際連携の枠組みや研究支援制度を説明し、アステラス製薬はオープンイノベーションハブでの協業事例を紹介した。エーザイは人間生物学に基づく研究アプローチについて、武田薬品工業は日米にまたがる研究開発体制や学術機関との連携モデルをそれぞれ紹介した。

コネチカット州のイノベーション・エコシステムについて、イェール・イノベーション・サミットなどのイベント機会のほか、バイオラボ・ニューヘイブン、アドバンスCT(AdvanceCT)などの共同オフィスや非営利団体が紹介され、ニューヘイブン地域全体で、研究、起業から事業化までを一体的に支える体制が説明された。大学と地域、産業界が緊密に連携することで、研究成果が実用化へと結びつく循環が形成されている点が強調された。

今回のセミナーは、イェール大学における産学連携や研究成果活用の取り組みを日本企業に対して発信する重要な機会であり、同大学がどのようにイノベーションを推進しているかを知る貴重な場となった。

(堀米美帆、遠藤壮一郎)

(米国)

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