日本の茂木外相がイラン外相と電話会談、イランは新たな最高指導者が就任

(中東、イラン、日本、湾岸協力会議(GCC)、EU)

調査部中東アフリカ課

2026年03月11日

日本の茂木敏充外相は3月9日、イランのアッバース・アラーグチー外相と電話会談を行い、中東地域の情勢悪化への懸念を示し、事態の早期沈静化を働きかけた。また、湾岸諸国の民間施設などへの攻撃やホルムズ海峡の航行の自由と安全を脅かす行為を直ちに停止するよう求め、核問題を含むイランを巡る課題解決に向け、国際社会と連携して、外交努力を続ける考えを示した。同日のイラン外務省のX(旧Twitter)によると、イラン側は米国とイスラエルの攻撃が地域不安定化の原因だとし、自衛行動を続ける姿勢を示すとともに、日本を含む国際社会に明確な非難を求めたという。

そうした中、イランのイスラーム共和国通信(IRNA)は3月9日、新たな最高指導者にモジタバー・ハーメネイー氏が就任したと報じた。モジタバー・ハーメネイー氏はイスラエルおよび米国の攻撃で死亡したアリー・ハーメネイー前最高指導者の次男で、現在56歳。同氏の就任を受け、イランのマースード・ペゼシュキヤーン大統領は同日、自身のXで支持を表明。さらに同日には、ペゼシュキヤーン大統領はXの投稿で「最優先事項は常に国民の生活である。食料・医薬品・生活必需品の確保、および銀行債務の返済期限延長を実施するため、経済強化パッケージを指示した。生産者への支援を行い、必需品の輸入を円滑化させる」とした。

一方、イランによる攻撃が続く湾岸協力会議(GCC)諸国は、域内外との連携を強化している。GCC諸国は3月5日にEU外相との共同声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。イランに対し、攻撃の即時停止を求め、EUもGCC諸国への連帯をあらためて表明した。声明では、ホルムズ海峡やバブ・エル・マンデブ海峡を含む地域の空域と海上航路の安全確保、航行の自由、サプライチェーンの安全、世界のエネルギー市場の安定確保が改めて重要視された。さらにGCC諸国は3月9日、EUに加え、エジプト、ヨルダン、イラク、シリア、レバノン、トルコ、アゼルバイジャン、アルメニアの首脳と合同サミットを開催。イランの攻撃停止と、地域および国際社会で連携の必要性を確認した。

現地情報は外務省海外安全ホームページ「中東の海外安全情報一覧外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」やジェトロ・ビジネス短信特集「イスラエル・米国とイランの衝突に関する中東情勢、各国の反応」も参照。

(加藤皓人)

(中東、イラン、日本、湾岸協力会議(GCC)、EU)

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