中東情勢の緊張激化で、海運会社がアジア発米国向け含む海上貨物輸送に緊急燃料サーチャージを導入

(米国、中東)

ロサンゼルス発

2026年03月23日

川崎汽船、商船三井、日本郵船の3社が出資するオーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)は3月10日、中東情勢の緊張激化を受け、海上輸送における緊急燃料サーチャージ(Emergency Fuel Surcharge:以下、EFS)を導入すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。EFSは3月24日から適用される。

適用額は、標準的な20フィートコンテナ(1TEU)当たり、一般貨物で160ドル、温度管理を要する冷凍・冷蔵貨物で210ドルを上限とする。なお、実際の適用額は、貨物の種類および輸送距離などを考慮した上で決定されるとしている。

スイスの海運会社のMSCもアジア発米国・カナダ向け航路に限定したEFSを4月9日から導入すると発表し、西海岸向けと東海岸向けで異なる金額を設定している。

香港の海運会社OOCLも同様に、中東紛争に起因する燃料輸送障害を理由に緊急燃油サーチャージ(Emergency Bunker Surcharge:以下、EBS)を導入している。米国連邦海事委員会(FMC)の管轄外の貨物には運賃適用日が3月23日のものから導入する。一方で、米国の港に発着し、管轄下にある輸送貨物については4月13日から適用するとしている。

デンマークの海運大手A.P.モラー・マースクも海上輸送の安定性を維持するための追加措置として、EBSを導入すると発表している。EBSは3月25日から例外なく全世界で適用する。標準的な1TEUの一般貨物で100~200ドル、冷凍・冷蔵貨物で150~300ドルの範囲としている。

中東情勢の緊迫化を背景に、主要な船会社による緊急的な燃料サーチャージ導入が相次いでいるが、EFSやEBSは航路や貨物量などによって適用条件が異なるほか、事前告知期間が短く、即時に変更されるケースも多い。このため、今後も各海運会社の動向やサーチャージ水準の変化を継続的に注視していく必要がある。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国、中東)

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