米イリノイ州シャンペーンでアグテックウイーク開催、農業とバイオの融合進む

(米国)

シカゴ発

2026年03月24日

米国イリノイ州シャンペーンで3月9~12日、シャンペーン・アーバナ・アグテック・ウイーク外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが開催された。同イベントは、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(University of Illinois Urbana-Champaign)および同大学リサーチパークを中心に開催され、農業分野における先端技術の社会実装や産学連携の推進を目的としている。

期間中には複数の関連イベントが実施され、3月10日にイリノイ・カンファレンス・センターで行われたアグテックサミット(2026 AgTech Summit)では600人以上が参加し、米国25州以上および世界14カ国・地域から関係者が集まるなど、日本企業を含む幅広い参加がみられた。同サミットでは、精密農業(注1)や自動化技術、農業データ活用などをテーマに、大学研究者、スタートアップ、企業関係者が登壇し、研究成果の事業化や企業との連携事例が紹介された。特に、農業機械の高度化や人工知能(AI)を活用した収量予測など、デジタル技術を活用した農業の効率化に関する議論が行われた。

また、スタートアップ・ワールドカップ(Startup World Cup)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの地域予選(Agriculture and Food Regional)も実施され、ニューヨークに本社を置くバイオテクノロジー企業、C16バイオサイエンシズ(C16 Biosciences)が優勝した。同社は微生物発酵技術を活用し、持続可能なパーム油代替原料の開発に取り組んでいる。ペガサス・テック・ベンチャーズ(Pegasus Tech Ventures)が主催する世界最大級のスタートアップ・ピッチコンテストであるスタートアップ・ワールドカップは、世界各国で地域予選が行われる。各地域での優勝企業は11月にシリコンバレーで開催される世界大会(Grand Finale)に進出し、優勝賞金100万ドルの投資獲得を競う。

写真 会場内の様子(ジェトロ撮影)

会場内の様子(ジェトロ撮影)

パークランド・カレッジ内AGCOトレーニングセンターで3月11日に開催されたiFABバイオマニュファクチャリング・サミット(iFAB Biomanufacturing Summit)には400人以上が参加し、バイオものづくり(注2)をテーマに、発酵技術や持続可能な素材開発、バイオ燃料などに関する研究開発および商業化の取り組みが紹介された。同分野では、大学の研究成果を基盤としたスタートアップの創出や、大企業との連携を通じたスケールアップが進展していることが示された。

イリノイ大学を中核とする同地域では、農業分野とバイオ分野の融合が進んでおり、また、イリノイ州は食品・農業関連特許数で全米1位、農業関連雇用30万人超、ベンチャー投資の約30%が同分野に向かうなど、大学、研究機関、スタートアップ、企業、投資が結びついたエコシステムが形成されている。こうした動きは、持続可能な農業や次世代素材開発といった分野において、今後の国際連携の可能性を示すものだ。

(注1)農地・農作物の状態をセンサーやデータなどの技術を活用して管理する手法。

(注2)微生物や細胞を活用した製造技術。

(住谷紗恵子)

(米国)

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