ポーランド、中東情勢を注視、GDP成長率や金利政策に影響も

(ポーランド、米国、イスラエル、イラン)

ワルシャワ発

2026年03月04日

イスラエルと米国によるイランへの攻撃を受け(2026年3月2日記事参照)、ポーランド政府は中東情勢を注視している。ドナルド・トゥスク首相は2月28日にX(旧Twitter)で、在イランのポーランド国民の無事を伝えた上で、政府はさまざまなシナリオに備えていると強調し、安全保障における国民の結束を呼びかけた。

ポーランド外務省は3月1日、当事国に自制と国際法順守を呼びかけるとともに、地域に滞在する自国民の安全確保が最優先課題であると表明した。ラドスワフ・シコルスキ外務相は2月28日に民放TVNの取材に応じ、イランがホルムズ海峡封鎖に踏み切れば原油価格が上昇し、輸入国であるポーランド経済のみならず、ロシアの原油収入増加を通じてウクライナ情勢にも影響を及ぼす可能性があると指摘した。

親米路線をとるカロル・ナブロツキ大統領は3月2日にXで、米国は「ポーランドの最大の同盟国」と強調した上で、米国との連帯と、イランの報復攻撃による犠牲者への哀悼の意を表明した。ロシアを軍事支援してきたイラン政権は崩壊過程にあるとの認識を示し、今後数日が中東情勢の決定的局面になると述べた。

ポーランドに本社を置く金融機関mBankは、ホルムズ海峡は事実上封鎖状態にあるとし、ポーランド経済への影響は免れないと指摘する。為替レートや株式市場への影響は限定的であるものの、原油価格の上昇やサプライチェーンの混乱が景気に水を差すとみている。mBankの試算外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、原油価格が恒常的に上昇した場合、今後1~2年の間に前年同期比のGDP成長率を最大で0.6ポイント引き下げ、今後数カ月で前年同期比の消費者物価指数(CPI)を最大で約3ポイント押し上げる。加えて、金融政策にも影響があるとし、2026年第2四半期(4~6月)における政策金利の利下げペースが鈍化する可能性があると分析する。

(金杉知紀)

(ポーランド、米国、イスラエル、イラン)

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