ウクライナ投資庁と日本企業との、ビジネス環境改善に向けた意見交換を実施
(ウクライナ、日本)
ワルシャワ発
2026年03月26日
ジェトロは3月19日、ウクライナ投資庁をポーランド・ワルシャワに迎え、ウクライナ日本商工会の会員企業(注)を中心とする日本企業との対話型セッションを実施した。
はじめに、ウクライナ投資庁のマリナ・フリストゥン長官より投資環境の説明が行われ、製造業や情報通信技術(ICT)分野での高い成長、再生可能エネルギー、防衛分野のデュアルユース技術を含む重点セクターなどが紹介された。EUの投資枠組み、国際協力銀行(JBIC)の与信枠、日本貿易保険(NEXI)のプログラムなど、日本企業が活用できる金融支援策についても説明があった。
ウクライナ投資庁のフリストゥン長官(ジェトロ撮影)
続いて行われた対話型セッションでは、出席した日本企業から、ウクライナでのビジネスに関する具体的な課題や要望が提示された。主な内容は、外貨送金制限の緩和、配当の海外送金(税率や運用)、戦争リスクに対する保険(利用可能性や適用条件)、税務当局の対応や徴税の公平性、従業員の兵役動員猶予、資金調達手段へのアクセス(利用可能性)、建設許認可手続きの迅速化などについてだった。ウクライナ投資庁はこれらへの個別対応を行うことを表明し、ビジネス・オンブズマン評議会の活用や関係当局への働きかけを含む具体的フォローアップを行うと回答した。
ウクライナ投資庁は、事前に参加企業から収集した質問・要望に対し、書面による回答をあらかじめ用意するなど、日本企業のニーズに真摯(しんし)に向き合う姿勢を示した。また、フリストゥン長官からは今後も積極的に相談を寄せてほしいとの発言があり、対話の継続に強い意欲が示された。
日本企業からの質問・要望に対する、投資庁の事前準備や長官による継続的な対話の呼びかけは、投資庁が単なる情報提供機関にとどまらず、日本企業にとっての「ワンストップ窓口」として、個別の実務課題の解決に向けて伴走する姿勢を明確に示すものだった。
今回の取り組みは、ジェトロが2025年12月のウクライナ投資庁との面談の際、複数の日本企業が、ロシアによる全面侵攻前から継続してウクライナで事業を展開していることを説明したことを契機に、フリストゥン長官から対面での意見交換の実施について要請を受けて実現した。なお、参加企業からは、今後も継続的に同様の対話機会を求める声が寄せられている。
対話型セッションの様子(ジェトロ撮影)
ネットワーキングの様子(ジェトロ撮影)
(注)加盟企業は主にウクライナ進出日系企業からなるが、日本人駐在員の多くはロシアのウクライナ侵攻を受けてウクライナからワルシャワに退避している。
(余田知弘)
(ウクライナ、日本)
ビジネス短信 9a448cc9a6ff37d4






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