モンテレイでイノベーションイベント「incMTY」開催、日本が招待国として参加

(メキシコ、日本)

メキシコ発

2026年03月31日

メキシコ北東部のヌエボレオン州モンテレイ市で3月17~20日、起業・イノベーションをテーマとする「インク・モンテレイ・フェスティバル(incMTY Festival)」が開催された。モンテレイ工科大学(Tecnológico de Monterrey)およびヌエボレオン自治大学(UANL)が主催(注)し、13回目となる今回は、1万人以上の起業家、投資家や企業、大学、行政関係者が参加した。

招待国の日本は、在メキシコ日本大使館およびメキシコ日本商工会議所の主導により、「サステナブル技術とイノベーション」をテーマにジャパン・パビリオンを設置した。三菱商事、三井物産、デンソー、スギノマシン、コニカミノルタ、日本電子など、メキシコ進出日系企業9社が出展し、半導体、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)、次世代通信、精密計測、環境配慮型技術などを紹介した。

会期中に開催された「日墨イノベーションラウンドテーブル」やパネルディスカッションでは、「製造現場×AI(人工知能)」が重要なキーワードとして繰り返し言及された。登壇した日本企業からは、ソフトウエアに強みを持つ米国に対し、メキシコは多くの工場や実証環境を有し、AIを現場で活用・検証する拠点として重要な役割を果たし得るとの指摘があった。一方で、ニアショアリングの進展を背景に投資機会が拡大する中、電力・水・物流といった基盤インフラの不足や、データ保護を含む規制環境の不透明さがボトルネックとして指摘された。

日本企業による現地での研究開発やオープンイノベーションの取り組みもみられる。ダイキンは2025年4月、モンテレイ工科大学内にオープンイノベーション・ラボを開設し、中南米全域を対象としたスタートアップ支援プログラム「AirTech Challenge」を継続的に実施している。

主催者のモンテレイ工科大学は、2026年5月に最大300社のスタートアップを収容可能なイノベーション・ハブ施設の開設を予定しており、モンテレイはメキシコ国内にとどまらず、ラテンアメリカ全体を視野に入れたイノベーションのゲートウェイとしての地位確立を目指している。

写真 incMTY Festival開会式(ジェトロ撮影)

incMTY Festival開会式(ジェトロ撮影)

写真 ジャパン・パビリオンの様子(ジェトロ撮影)

ジャパン・パビリオンの様子(ジェトロ撮影)

(注)モンテレイ工科大学は、クアクアレリ・シモンズ社(QS社)公表の世界大学ランキングで世界上位にランクインし、産業界とのつながりや起業家育成に強みを持つラテンアメリカ有数の私立大学。ヌエボレオン自治大学は、メキシコ北部を代表する州立総合大学で、工学・医療分野を中心に地域産業を支える人材・研究基盤を担っている。

(深澤竜太)

(メキシコ、日本)

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