パナソニックがAI企業ルーツと協業、スマートシティや中小企業の自動化支援へ
(シンガポール、日本)
シンガポール発
2026年03月26日
パナソニックR&Dセンターシンガポール(PRDCSG)事業推進室のタン・ペックユー副部長は3月12日、ジェトロのインタビューで、地場スタートアップのルーツ・イノベーション
との協業を通じて、中小企業を対象に人工知能(AI)を活用した自動化を支援する考えを明らかにした。ルーツが開発するAI搭載のデータ自動化プラットフォームとパナソニックのAI技術を組み合わせ、スマートシティやヘルスケア、モビリティー分野でのビジネス機会の創出を目指す。
PRDCSGは、パナソニックホールディングスがシンガポールに設置するアジア太平洋地域の研究開発(R&D)拠点。ルーツはAIを活用したデータの統合や可視化ツールを開発する2023年創業のテック企業だ。両社は3月6日に協業を発表した。
PRDCSGのAIグループを率いるスギリ・プラナタ・ゼネラルマネジャーは、多くの企業にとってAI活用の前提となるデータの整理や活用可能な形への統合が共通の課題になっていると指摘した。ルーツが開発したAI搭載のデータ統合プラットフォーム「シンストリーム(Synstream)」は、最小限のコーディングで異なるデータ形式を効率的に統合し、データの流れを可視化できる点が特徴だという。一方、PRDCSGは画像や動画、テキスト・データのAIを用いた解析技術に強みがある。
タン副部長は中小企業をターゲットとする理由について、「自動化ニーズの多くが中小企業の現場にある」と説明した。ルーツのアイバン・チャム・ディレクターは、同社のソリューションについて「低コストで導入スピードが速く、運用もしやすいため、中小企業にとって魅力的だ。また、大規模なスマートシティ・インフラへの対応にも強みがある」と述べた。ルーツによると、シンストリームは従来のデータ統合ツールと比べて、手動コーディングの作業を約9割削減し、運用コストを約5割削減できるほか、導入スピードも約5倍に向上するという。
タン副部長は、両社のソリューションの今後のターゲット市場として、シンガポール、マレーシア、タイ、台湾、日本を視野に入れている。両社は台湾で3月17日から開催中の「スマートシティ・サミット・アンド・エキスポ
」に出展し、技術を紹介している。
スマートシティ・サミット・アンド・エキスポでパナソニックとルーツ・イノベーションのスマートシティ技術を展示。PRDCSGのタン副部長(左から2人目)、ルーツのチャム・ディレクター(右)(ルーツ提供)
(本田智津絵)
(シンガポール、日本)
ビジネス短信 90e402f541471ad3






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