モバイル・ワールド・コングレス/4YFN 2026開催、日系企業も多数出展

(スペイン、欧州、EU、日本)

マドリード発

2026年03月18日

世界最大規模のモバイル関連展示会「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)2026」が3月2~5日にスペイン・バルセロナにて開催された。主催者によると、出展者数は約2,900、207カ国・地域から約10万5,000人が来場した。

日本は「通信キャリア」ではなく「人工知能(AI)インフラ企業」としての存在感が際立った。総務省がジャパンパビリオンを設置し16団体が出展。NTT、KDDI、富士通、NEC、楽天モバイルの5社は情報通信研究機構(NICT)の「革新的情報通信技術〔Beyond 5G(6G)〕基金事業」での共同採択を背景に、オープンRAN(注)・第6世代移動通信システム(6G)関連技術を共にアピールした。またNTTおよび楽天グループの代表者がインステージで基調講演を果たすなど、日本勢として例年より高い国際的露出を得た。

写真 MWC内のNTTパビリオンやジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

MWC内のNTTパビリオンやジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

従来MWCのスタートアップ向け併催イベントだった「4 Years From Now4YFN)」は今回から独立開催となり、テーマ「Infinite AI」のもと1,000社以上のスタートアップ・企業が参加、世界の投資家・大企業・エコシステム関係者が一堂に会した。ジェトロは、都内スタートアップ向け海外展開支援プログラム「X-HUB TOKYO」の欧州コースの一環として、4YFN内にジャパンパビリオンを設置。スペインの通信大手テレフォニカのコーポレートベンチャーキャピタル部門ワイラ(Wayra)との協働アクセラレーションプログラム(20259月〜20263月)の集大成となった個別メンタリング・他社への指導も見ることができるグループマスタークラス・1on1マッチメイキングを通じて、伴走支援を行ってきた欧州・スペイン市場進出を目指す日系スタートアップ15社が出展した。4YFN2026では欧州のベンチャーキャピタル(VC)をコメンテーターとして迎えたピッチイベントや投資家・大企業との商談マッチングを実施し、出展者からは「普段つながりにくい現地の投資家・大企業担当者とのネットワークを構築できた」との声が聞かれた。

写真 4YFN内ピッチイベントの様子(ジェトロ撮影)

4YFN内ピッチイベントの様子(ジェトロ撮影)

また会期後ジェトロと日系スタートアップは、バルセロナ自由貿易地域協会(CZFB)が主導する産業デジタルトランスフォーメーション(DX)・オープンイノベーション拠点「DFactory Barcelona」を視察した。同施設は約17,000平方メートルの敷地内で大企業・スタートアップ・研究機関が協働する「コ・ファブリケーション」モデルが特徴で、3Dプリンティング・ロボティクス・AIなどを活用し、アイデアから実証まで同一施設内で完結できる環境を備える。欧州進出を検討する製造業DX・ハードウエア系スタートアップにとっての実証拠点候補として注目される施設であり、さらにDFactory IIとして敷地面積を約10万平方メートルに拡張する計画も進行中で、今後の動向が注目される。

写真 DFactoryの様子(ジェトロ撮影)

DFactoryの様子(ジェトロ撮影)

次回のMWC/4YFN Barcelonaは2027年3月に開催予定。

(注)通信網供給事業者の機器の相互運用を可能にする技術。

(加賀悠介)

(スペイン、欧州、EU、日本)

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