日本にも進出、ブルガリアの小型衛星企業エンデューロサットに聞く
(ブルガリア、日本)
調査部国際経済課
2026年03月12日
ブルガリアのエンデューロサット(EnduroSat)は、2015年に設立された、小型衛星の設計・製造・運用および関連サービスに取り組む企業だ。ジェトロは2月24日、同社ヘッドオブビジネスディベロップメントのジュリアナ・ボリスラボワ氏に、事業と日本市場での取り組みおよびブルガリアのエコシステムについて聞いた。
同社の衛星は2018年からこれまで70基超が宇宙に打ち上げられている。衛星に搭載する機器や運用主体は顧客によって変わるが、エンデューロサットとしてはミッション策定から打ち上げ後の運用までのサービスを提供できる。顧客は研究機関、企業、防衛関連機関の3つに大きく分けられ、防衛は直近で関心が高まっている分野ではあるものの、他2つも順調に成長している。欧州宇宙機関(ESA)のプログラムにも積極的に申請している。
同社の強みは迅速性、柔軟性、透明性。ソフトウエア中心のプラットフォームとすることでハードウエアの変更の必要性をなくし、顧客に合わせた迅速な調整を可能にしている。すでに大量生産に向けて動いており、実現すれば1日に2台の衛星を生産できるようになるという。また、顧客対応についても重視しており、これまでも国外のプロジェクトで問題が起きた際にはエンジニアを現地に派遣した。さらに製品・サービスの価格を公表することで透明性を確保している。
ブルガリアの強みはEU加盟国かつ法人税率も低いことから国外からの投資を集めやすい点だ。国外で学んだブルガリア人のエンジニアが帰国し、国内にノウハウを還元していることも強みとなっている。他方、課題はブルガリアとして宇宙機関を有しておらず関連技術に精通するエンジニアの確保が難しい点だ。同社としても国内の大学向けの修士プログラムなどを通じ人材育成を図っているという。
日本市場にも注目している。現在欧州に5拠点、米国に1拠点を有しているほか、直近では日本にも法人を設立、エンジニアや事業開発担当など既に3人を雇用しているという。衛星の組み立て・統合・検証(AIT)に関しては搭載機器に関わる部分でもあることから、日本国内で行われる必要がある。同社東京オフィスにはクリーンルームが設けられており、搭載機器の統合も可能だ。
日本での目標は強力なパートナーを特定し、日本市場での衛星の大量生産を可能にすることで日本の宇宙産業に貢献することだ。宇宙へのアクセスを簡素化しコストを下げるとともに、開発および運用にかかるタイムラインの短縮を目指している。
(山田恭之、峯裕一朗、太田響子)
(ブルガリア、日本)
ビジネス短信 8d465ca31160b2ac






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