ベトナムの航空会社、燃料不足のリスクで国内線を中心に4月から一部減便へ
(ベトナム、中東)
ホーチミン発
2026年03月26日
緊迫する中東情勢を受け、航空燃料価格の高騰と供給不安から、ベトナムの航空各社は、路線の運休などの対応を迫られている。運休となる路線は次のとおり。
〇ベトナム航空(4月1日~、計7路線で週23便が運休予定)
- ハイフォン市発着:バンメトート線(ダクラク省)、カムラン線(カインホア省)、フーコック線(アンザン省)、カントー線(カントー市)
- ホーチミン市発着:バンドン線(クアンニン省)、ラックザー線(アンザン省)、ディエンビエン線(ディエンビエン省)
〇ベトジェットエア
- ハノイ市発着:成田空港線(4月7~30日)、関西空港線(4月8~30日)
〇ベトラベル航空
- ハノイ~蘭州中川空港(中国・甘粛省)の5月のチャーター便
このうち、ベトジェットエアは、まず地方空港を結ぶ路線を中心に減便を計画しており、予約済みの顧客に対しては、返金や予約変更の対応策を用意している。ベトナム航空は、国際線および国内の主要路線も引き続き維持する方針だが、運航管理や各路線の調整は、状況に応じて週単位や日単位で柔軟に行う可能性があるとしている(「ベトナムビズ」、「カフェF」3月24日)。
現地メディアがベトナム税関局から入手した情報によると、2025年のベトナムの石油製品の輸入量は996万トン、68億2,000万ドルで、そのうち軽油は501万トン(全体の50%)、ガソリンは226万トン(同23%)、航空燃料は218万トン(同22%)だ(「ダウ・トゥ」3月20日)。
また、3月9日に開催されたベトナム航空局(CAAV)との会合で、ベトナムの航空燃料会社スカイペック(注1)は、航空燃料について、主にシンガポール、タイ、中国からの輸入が全体の70~80%を占め、国内のズンクアット製油所およびニソン製油所からの供給は20~30%にとどまると説明した。さらに、スカイペックとペトロリメックス(注2)は、3月末までの各航空会社への燃料供給は確保しているものの、中国およびタイによる航空燃料の輸出停止措置の影響で、4月以降の調達は極めて困難な状況にあると報告した。
3月20日にベトナム航空局が各国の航空会社約40社を対象に実施した調査によると、6割以上の航空会社が3月中旬以降、(1)燃油サーチャージを別途設けず、路線に応じて運賃本体を5~20%引き上げる方式(エールフランス航空、タイ国際航空、ユナイテッド航空など)、もしくは、(2)燃油価格の変動に応じて、運賃とは別に燃油サーチャージを追加する方式(マレーシア航空、バティック・エア、全日本空輸、中国南方航空)を導入済み、または導入予定だ。
また、貨物輸送については、ルフトハンザ航空や大韓航空などの一部の航空会社が、1キロ当たり約1万7,000~4万ドン(約102~240円、1ドン=約0.006円)の燃油サーチャージを適用している。現在、ベトナムの各航空会社も国際線の燃油サーチャージ案を策定中で、4月初旬から適用する可能性がある。
(注1)正式名称はVietnam Air Petrol Companyで、ベトナム航空が全額出資するベトナム最大手の航空燃料供給・管理企業。
(注2)ベトナム最大手の国有石油製品販売会社。
(新田和葉、ティエン・グエン)
(ベトナム、中東)
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