トランプ米大統領「メード・イン・アメリカ」表示の運用厳格化に向けた大統領令に署名
(米国)
調査部米州課
2026年03月18日
米国のドナルド・トランプ大統領は3月13日、「メード・イン・アメリカ(米国製)」をうたう製品広告の真実性確保に関する大統領令に署名した
。米国における「米国製」表示は、本来、米国産原材料と労働力の「すべてまたは実質的にすべて」が米国内で調達・製造された製品にのみ認められる。しかし、オンライン市場の拡大を背景に、外国製品が「米国製」と誤認される表示で販売される事例が増加しているとして、消費者保護と米国内製造業の競争環境の是正を目的に、本大統領令が発令された(2024年8月20日付地域・分析レポート参照)。
同大統領令では、連邦取引委員会(FTC)に対し、「米国製」またはそれに類似した米国原産表示が虚偽または誤解を招く場合、関連法令違反として法執行を優先するよう指示した。FTCは必要に応じ、製品分野ごとの専門性を有する関係省庁と連携する。
また、オンライン・マーケットプレイスが原産国表示を検証する体制を確立していない場合、FTC法に基づく「不公正または欺瞞(ぎまん)的行為」(注1)と見なされる可能性があることを規定する規則案の策定を求めた。今後、電子商取引(EC)プラットフォーム運営企業に対する規制強化につながる可能性がある。
さらに、原産国表示を所管する関係省庁に対し、米国で製造・生産された製品について、任意の原産国表示を促進する規則やガイダンスの策定を検討するよう指示した。
加えて、連邦政府調達に関わる機関には、政府向けに販売される製品について、バイ・アメリカン法(注2)を順守しているか、「原産国:米国」または同様の米国原産地表示をしているか定期的に確認・検証し、不適切な表示が認められた製品を調達から除外することや、虚偽請求取締法(False Claims Act)に基づく司法省への通報を行うことも求めている。
同時に発表されたファクトシート
では、今回の「米国製」表示の運用厳格化は、トランプ政権が掲げる「米国第一(America First)」政策の一環であるとし、国内製造業を保護する姿勢があらためて強調された。米国市場向けに製品を販売する日本企業にとっても、製造工程や部材調達の実態と広告・表示内容との整合性を改めて確認する必要があり、特にECを通じた販売や政府調達に関与する企業は、今後の規制動向を注視する必要がある。
(注1)FTC法は第5条
で「不公正または欺瞞的行為」を定めている。
(注2)国内産業保護を主な目的とし、連邦政府調達品に関し、国産品を優遇する措置(ジェトロ「バイ・アメリカン法およびバイ・アメリカ条項について」参照
(304KB))。
(岩井晴美)
(米国)
ビジネス短信 81ff51644d6ce1aa






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