フランス市町村議会選、地方でも政治分断が浮き彫りに

(フランス)

パリ発

2026年03月31日

市町村議会選挙の決選投票が3月22日に行われた。内務省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(フランス語)によると、22日午後5時時点の投票率は48.10%(それ以降の数値は未発表)となり、新型コロナ禍下で低迷した前回2020年(2020年6月30日記事参照)の34.67%を大きく上回った。ただ、歴史的には依然として低い水準で、国民の政治参加の停滞が続いていることを示した。

公共ニュース専門放送局「フランス・アンフォ」の3月23日の記事外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、人口10万人超の大都市42市のうち、社会党(PS)・環境派を軸とした左派が21市を制し最多となったが、2020年からは3市減少した。右派共和党(LR)・無所属右派は12市で前回並み、中道勢力は6市へと1市増やした。PSはパリ、マルセイユ、リールなど14都市を押さえた一方、環境派はボルドー、アヌシー、ブザンソンとストラスブールの4都市で敗北し、後退が目立った。

国民連合(RN)は、10万人超の大都市ではペルピニャンを維持し、ニースを制した「共和国のための右派連合(UDR)」との連携によって極右勢力が存在感を拡大した。極左「不服従のフランス(LFI)」は、PSからサン=ドニを奪取し、大都市で初の極左市長が誕生した。

小規模・中堅都市(人口1万〜10万人)では、LRを中心とする右派が455市から464市へと勢力を伸ばし、地方基盤の強さを示した。中道与党も140市から177市へと増加。RNおよびUDRは2020年の9市から大きく増やし、中堅都市のモントーバンやカルカッソンヌを含む37市を掌握するに至った。対照的に、左派連合は141市から129市に、無所属左派も196市から148市へと後退した。

調査会社イプソスBVAのブリス・タンチュリエ氏は23日、公共ラジオ局フランス・アンテールで選挙結果を分析し、「今回の選挙で明確な勝者はいない」と述べた。同氏は、地方レベルで「非常に強い分断」が見られ、これは全国的な傾向の「再確認」でもあるとした。特に「左派内部の対立が本格的に再燃している」とし、トゥールーズなどでPSとLFIが組んだ連携は「必ずしも成果を上げなかった」と指摘した。

また極右RNについて、大都市では限定的だが「小都市や中規模都市で伸びている」と指摘。極左LFIについてはサン=ドニやルーベなど例外的な勝利はあったものの、全国的な勢力拡大はみられなかったと分析した。

(山崎あき)

(フランス)

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