チェコ、中東情勢の直接的影響は限定的、原油・ガス価格高騰の間接的影響を懸念

(チェコ、中東、イラン)

プラハ発

2026年03月19日

チェコ産業連盟は3月12日、会員企業を対象に実施した中東情勢の影響に関する緊急アンケート結果の速報を発表した。その中で、まずチェコ企業は輸送コストと電力価格の高騰を懸念していると指摘。特に電力消費量の多い企業に深刻な影響を及ぼす可能性があるとした。また、中東諸国と取引のある企業は、資材の供給や受注面で問題が生じる可能性があるとしている。また、具体的な企業の回答としては、チェコスロバキア・タンク清掃ステーション連盟の「売り上げ減少と運営コスト上昇は、投資支出の減少を意味する。最悪のケースでは、今年度に予定していた投資が、無期限に延期される可能性もある」とのコメントを紹介している。

同連盟は本アンケートに先立つ3月4日に、中東情勢のチェコ産業への影響予測を発表した。その中で近年、チェコの対イラン輸出額は年間5億コルナ(約38億円、1コルナ=約7.5円、3月17日チェコ中央銀行為替レート)を下回っていることから、禁輸措置の拡大あるいは完全な貿易停止に至ったとしても、チェコのマクロ経済への影響は限定的と指摘した。一方、原油およびガスの価格急騰による間接的な影響が懸念されるとした。特に天然ガスに関しては、ロシア産依存から液化天然ガス(LNG)市場への依存に移行しており、中東紛争が長期化、あるいは広範化した場合には、チェコ企業の国際競争力の低下が憂慮されるとしている。特に顕著な影響が予想される産業として、生産の際にエネルギー源や原材料としてガスへの依存度が高い化学工業、建設資材、ガラス、鉄鋼、食品加工などを挙げている。

財務省は3月6日、原油価格高騰によるガソリンと軽油の価格上昇を受けて、国内のガソリン・軽油小売業者に対して、3月16日から価格とマージンを毎日報告するよう義務付けたと発表した。同省は報告されたデータを、サプライチェーン全体を網羅する同省のデータや、世界市場における燃料価格動向と比較し、マージンを不当に引き上げている業者がいないか監視する。なお、政府はガソリンや軽油の物品税引き下げを現時点では考えていない(3月15日「チェコテレビ」報道)。

(中川圭子)

(チェコ、中東、イラン)

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