エーザイ、AP州にグローバル・ケイパビリティ・センター設立
(インド、日本)
チェンナイ発
2026年03月27日
エーザイは、インド南部アンドラ・プラデシュ(AP)州ビシャカパトナム(以下、バイザッグ)の「エーザイ・ナレッジセンター・インド」内に、グローバルIT戦略の中核拠点となる「エーザイ・グローバル・ケイパビリティ・センター(EGCC)」を設立し、3月17日に開所式を開催した。式典には、髙橋宗生在チェンナイ日本総領事、在インド日本大使館の青柳ゆみ子一等書記官、インド行政官(IAS)のビジャヤ・クリシュナンAP州アナカパリ地区長官らが出席し祝辞を述べたほか、エーザイの内藤景介COO兼チーフグロースオフィサーが同社のGCCビジョンについてスピーチを行い、国際的な連携の重要性を強調した。
EGCC開所式の様子(ジェトロ撮影)
エーザイは2009年に、バイザッグの55エーカー(約22万平方メートル、1エーカー=約4,047平方メートル)の敷地に「エーザイ・ナレッジセンター・インド」を開設し、グローバルな生産およびプロセス研究の中核拠点として機能させてきた。今回のEGCC設立により、既存の研究・製造機能に加え、IT戦略拠点が加わることで、さらなる機能強化が期待されている。
現在、AP州は「新たなIT都市」創出をめざし、IT特別経済区(SEZ)の設立、データセンターや人工知能(AI)ハブとしての企業誘致、30万人規模のIT人材雇用創出を計画するなど積極的な取り組みを進めている。その代表例として、2025年10月の米国グーグルによるAIデータセンター進出発表があり、エーザイのチーフインフォメーションオフィサー(CIO)の法華津誠氏は「グーグルの進出は、バイザッグのIT拠点としての活性化につながる」と好意的に述べている。こうした地域の施策と連動するかたちで、EGCCはITインフラ整備、ITセキュリティー、データ分析、ビジネスアプリケーション開発へと発展させ、グローバル戦略の推進と地域社会への貢献を両立する拠点として期待されている。
さらに、同社は公衆衛生分野でも国際的な取り組みを継続している。すべてのリンパ系フィラリア症(注)まん延国において制圧が達成されるまで、同敷地内で製造された治療のためのジエチルカルバマジン(DEC)錠を2013年から世界保健機関(WHO)を通じて無償提供しており、感染リスクにある人々を支援している。EGCCの設立と並行して、医薬品供給を通じた国際的な貢献も強化されることで、同社の理念に基づいた人材の雇用とITを通じた地域経済の発展にも寄与していくことを目指している。
(注)フィラリアという寄生虫を病原体とし、蚊に媒介されて人に感染する病気。
(藤井芳彦)
(インド、日本)
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