南ア財務相、前向きながらも慎重な2026/2027年度予算を発表

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2026年03月06日

南アフリカ共和国のエノク・ゴドングワナ財務相は2月25日、2026/2027年度予算(2026年4月~2027年3月)に関する演説を議会で行い、南アの財政にとって今が転換点と述べた。この予算は、持続的な財政規律、財政赤字の縮小により、債務状況の安定化を目指していることを強調した。また、政府の経済構造改革が電力供給と貨物輸送を改善に導いていると述べた。

財政の持続可能性については、政府債務が2025/2026年度にGDP比78.9%でピークを迎え、今後は徐々に減少して、2026/2027年度には77.3%、2028/2029年度には76.5%、その後も低下し債務状況が安定していくと予測している。財政赤字は2025/2026年度予算で予測されたGDP比4.8%から4.5%に縮小し、2026/2027年度には4.0%、2028/2029年度には3.1%に低下すると見込んでいる。

ゴドングワナ財務相は、財政規律をさらに強化するため、財政⁠の長期的な持続性を確保するための「財政アンカ​ー」と呼ばれる法規(注)を定める計画を発表した。税制面では、大幅な増税は避け、家計所得を支えるためインフレ率に合わせて、個人所得税の税率区分と税額控除を調整するとした。

経済見通しについては、GDP成長率はエネルギー、運輸、物流分野の構造改革に支えられ、2025年の1.4%から、2026年に1.6%に上昇し、中期的には平均1.8%、2028年には2.0%に達すると予測している。しかし、同相は「物流のボトルネックが依然として存在し、公共インフラの脆弱(ぜいじゃく)さ、そして最近の畜産(牛)の口蹄疫(こうていえき)発生は、引き続き経済活動を圧迫し、見通しにリスクがある」と警告した。したがって、インフラ投資は引き続き政府の成長戦略の柱であり、交通、水道、エネルギーなどの分野に1兆ランド(約9兆5,000億円、1ランド=約9.5円)を超える支出を見込んでいる。

経済団体のビジネス・リーダーシップ・サウスアフリカ(BLSA)は、この予算を前向きで健全な経済状況を示すものとして歓迎した。本予算は「国の中核的な課題に取り組み、政府の構造改革へのコミットメントをあらためて示す信頼性が高く実践的な予算」と述べた。一方、政府に対して水供給などの公共サービスの改善などを求めている。

(注)今後導入を予定している「債務持続可能性を確保するための拘束力のある一連の法規」のこと。

(トラスト・ムブトゥンガイ)

(南アフリカ共和国)

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