米マサチューセッツ州のMITと2企業がライフサイエンス分野の連邦助成金を獲得
(米国)
ニューヨーク発
2026年03月19日
米国マサチューセッツ州のモーラ・ヒーリー知事(民主党)は3月3日、マサチューセッツ工科大学(MIT)とボストンを拠点とするライフサイエンス企業2社が、連邦政府の保健高等研究計画局(ARPA-H)を通じて3件の助成金を獲得したと発表
した。ARPA-Hは保健福祉省(HHS)傘下の、生物医学・健康研究を推進している政府機関だ。ARPA-Hはハイリスク・ハイリターンなプロジェクトへの資金提供と、革新的技術への助成に重点を置いている。
MITが獲得した助成金は、ARPA-Hの「眼球内バイオマーカー(生物学的指標)分析研究所(OCULAB)」プログラムの一環で、MITを含む助成対象者に4年間で合計最大7,580万ドルを配分する予定。同プログラムの目的は、涙管内に設置するウェアラブル型の健康モニタリングシステムの開発となる。現在、ほとんどの医療検査は、血液採取に依存しているが、涙は血液と同じバイオマーカーを多く有していることから、血液を代替できる可能性がある。MITは、ドライアイと糖尿病のバイオマーカーを検出するため、人工ポリマー鎖でコーティングされた新しいカーボンナノチューブベースのセンサーの開発を進めている。
もう2件は、ARPA-Hの「リンパ系介入と創薬研究(GLIDE)」プログラムを通じて、ロピリオ・セラピューティクスとシーポート・セラピューティクスが獲得した。同プログラムはリンパ機能障害に関連する疾患に対処する治療ツールの開発に注力しており、2社を含む助成対象者に5年間で合計最大1億5,800万ドルを拠出する。ロピリオ・セラピューティクスは、体液貯留や慢性的な腫れの原因となるリンパ管の漏出と閉塞を抑制する新薬を、シーポート・セラピューティクスは、中心性肥満に関連するリンパ管の炎症に対処する経口治療薬を開発している。
ヒーリー知事は今回の発表について、「これらの助成金は、マサチューセッツ州がライフサイエンスおよび生物医学のイノベーションで、なぜ世界トップの地位を維持し続けているかを示している。疾患を監視する新しい手法の開発から、慢性疾患の根本原因を標的とする先駆的な治療法まで、マサチューセッツ州の研究者や企業は、医学分野で最も困難な課題に取り組んでいる」と述べた。ARPA-H は設立以降、マサチューセッツ州のさまざまな研究機関や企業に3億3,000万ドル以上を助成している。また、同州は2023年に、研究者・起業家・学術機関を結び医療イノベーションを加速させるARPA-H の「インベスター・カタリスト・ハブ」のホストにも選ばれている。
(大垣ジャスミン)
(米国)
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