日本とシンガポール、戦略的パートナーシップに格上げ、優先5分野で協力拡大
(シンガポール、日本)
シンガポール発
2026年03月23日
日本の高市早苗首相と、訪日したシンガポールのローレンス・ウォン首相兼財務相は3月18日の首脳会談で、両国関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げすることで合意した。自由貿易や経済協力、エネルギー協力など、優先5分野で協力を拡大する。
ウォン首相の訪日は、2024年5月にシンガポール第4代首相に就任して以降初めて。両国が2026年に外交関係樹立60周年を迎えたことを機に、2国間関係の強化を図った。両国が協力を拡大する優先分野は、(1)自由貿易と経済協力の推進、(2)デジタル化と技術、(3)安全保障と防衛、(4)グリーン・トランジションとエネルギー協力、(5)パートナーシップと人的交流、の5分野。
共同声明によると、自由貿易と経済協力の分野では、WTO電子商取引共同声明イニシアチブの共同議長国として、デジタル貿易の推進などデジタル経済分野における2国間協力を拡大する。また、ジェトロとシンガポール企業庁(エンタープライズシンガポール)との協力覚書(MOC)を更新し、貿易・投資の流れの強化を図る。
デジタル化と技術の分野では、日本の総務省とシンガポールのデジタル開発・情報省(MDDI)との間でICT政策対話を確立することが盛り込まれた。また、安全で信頼できるAI(人工知能)のエコシステム構築に向け、AI分野での協力を深化させる。さらに、日本の内閣府とMDDIが2026年1月に署名した量子科学・技術・イノベーションに関するMOCを通じ、量子分野での協力も強化する。
グリーン・トランジション分野では、日本の経済産業省とシンガポール貿易産業省との間のエネルギー・持続可能性・気候変動協力枠組みなどを通じ、両国のネットゼロ目標達成を支援する2国間枠組みを強化する。また、日本の国土交通省とシンガポール運輸省との間のグリーン・デジタル海運回廊に関するMOCに基づき、海運の脱炭素化とデジタル化に関する協力を強化する方針だ。
安全保障分野では、2国間および多国間の演習などを通じた協力を強化する。また、両国が2023年6月に署名した防衛装備品・技術移転協定に基づき、防衛装備・技術分野での協力を深化させる。同分野におけるスタートアップ間の連携を通じたイノベーションも推進する。
(本田智津絵)
(シンガポール、日本)
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