DI値は2021年下期ぶりにプラス、日本本社からの往来は役員クラス以上で8割超、在香港日系企業アンケート調査

(香港)

香港発

2026年03月23日

ジェトロは3月23日、在香港日本総領事館、香港日本人商工会議所と共同で、在香港日系企業などを対象にした「第16回香港を取り巻くビジネス環境にかかるアンケート調査」を発表した(調査期間は2月2~15日、調査対象企業数は延べ568社/222人、調査結果の詳細は添付資料参照)。調査結果の主なポイントは次のとおり。

DI値は、2021年下期ぶりにプラスに、見通しも改善方向なるも業種によりばらつきあり

2025年通期のDI値(注1)は2022年にマイナスに転じて以来、初めてプラスとなり、5.0を記録した。業種別にみると、改善を牽引したのは金融・リース、精密および電気・電子機器だった。2026年の見通し(通期)は全体で12.7と、2025年からさらに大きく改善すると見込まれる。業種別にみると、金融・リースは引き続き好調なほか、商社・貿易・卸売は、2025年はDI値がマイナスだったものの2026年はプラスに改善する見通し。

離職後の補充難はなお残るも、人材不足による業務影響は調査開始以来最も低い割合に

人材不足による業務への影響があると回答した企業は4.8%(11社)と、調査開始以来最も低い水準だった。過去1年間に離職のあった企業は約半数に上った。

物流企業の取扱量は前年比減、引き続き中国市場の低迷とサプライチェーン再編成が影響

物流環境について「悪化」の比率が比較的高かったのは輸送費用、倉庫費用、人件費で、それぞれ4割を超えた。悪化要因は、「香港域内のコスト・労働力不足」(68.0%)が最多の回答だった。物流量の変化については、香港からの輸出が57.9%、輸入は58.9%が「減少」(注2)と回答した。輸出入量減少の主な要因は「中国市場の停滞」と「サプライチェーン再編」が共に65.5%で最多となった。

香港拠点の方針は現状維持が多数、拡大は微増、縮小・撤退は減少

香港拠点の今後の活用方針は「変わらない」が最多(62.3%)で、「規模拡大」は7.8%(前回調査:3.3%)、「縮小・撤退・機能見直し」は10.3%(同:17.7%)だった。8割超の企業で過去1年間に日本本社から役員クラス以上の来訪があり、来訪により本社の期待値が好転した企業(注3)は36.4%に上った。

GBA・北部都会区開発は約半数の企業が期待、商社、貿易、金融などで高い期待感

広東・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)および北部都会区に「期待している」(注4)と回答した企業はGBAが50.0%、北部都会区が48.0%だった。期待する内容は、いずれも「市場拡大」「ビジネス環境」「イノベーション」の順に回答が多かった。一方、課題としては、両地域とも「香港の相対優位性低下」や「規制面での運用実現性の克服」などが挙がった。

(注1)DI値はDiffusion Indexの略で、「大幅に改善」「改善」と回答した企業の割合から「悪化」「大幅悪化」とした企業の割合を差し引いた数。

(注2)「大幅減少」と「減少」の合計。

(注3)「大きく高まった」と「やや高まった」の合計。

(注4)「大いに期待している」と「期待している」の合計。

(越川剛)

(香港)

ビジネス短信 72444648d1a66b9f