ロシア中銀、政策金利を15.0%へ引き下げ

(ロシア)

調査部欧州課

2026年03月30日

ロシア中央銀行は3月20日の金融政策決定会合で、主要政策金利(キーレート)を15.5%から15.0%に引き下げ、23日から適用した(添付資料図参照)。

エリビラ・ナビウリナ総裁は記者会見で引き下げの理由について、1月に一時的に加速した物価上昇率が想定どおり減速し、付加価値税(VAT)や各種料金の引き上げに対するインフレ期待の反応も総じて穏やかだったと説明した。また、消費者需要は徐々に冷え込み、ロシア経済は過熱状態からバランスの取れた成長軌道へ移行しつつあることから、金融政策の緩和を継続する判断が可能になったと述べた。

経済について、ナビウリナ総裁はVATや自動車のリサイクル税(廃車税)の引き上げ前の駆け込み需要の反動により、2026年初頭の消費と経済成長が一時的に鈍化しているとの認識を示した。

労働市場では人手不足の緩和が進んでおり、物価などに基づいた賃金の調整もここ数年より控えめとなっている。失業率は歴史的低水準を維持し、賃金の伸びは労働生産性を上回る。

外部環境では、中東情勢の緊迫化が資源価格や物流の不確実性を高めている。ナビウリナ総裁は短期的には原油など主要輸出品価格の上昇を通じ、輸出収入およびルーブルを下支えする可能性があると指摘した。ルーブルは弱含むが前年のレンジ内で推移しており、今回の利下げ判断への影響は限定的と評価した。

中銀は2026年のインフレ率を4.5~5.5%と見込み、2026年後半には基調インフレが4%付近に収束すると予測する。ナビウリナ総裁は、外部環境や財政政策を巡る不確実性が高まっていることを踏まえ、今後の会合では追加的な利下げの必要性を検討するものの、利下げ前提で行われるわけではないとの認識を示した。

次回の金融政策決定会合は2026年4月24日に予定されている。

(小野塚信)

(ロシア)

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