ネタニヤフ首相は対イラン攻撃継続の意思を表明、トランプ米大統領は48時間以内のホルムズ海峡開放を要求
(イスラエル、米国、イラン、中東、キプロス)
テルアビブ発
2026年03月23日
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は3月19日に外国メディア向けの記者会見
を行い、米国とイスラエルが対イラン軍事作戦を「前例のない強さ」で共同して進めていると強調した。作戦の目的として、(1)核による脅威の排除、(2)弾道ミサイルによる脅威の排除と、核と弾道ミサイルが地下深部に防護される前の排除、(3)イラン国民が自由を得て、イラン国民が自らの将来を選択できる環境を整えることを挙げた。
ネタニヤフ首相は、イランが米国やイスラエルのみならず、中東全域とその周辺まで攻撃していると非難。イラク、クウェート、サウジアラビア、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーンで米国人、米国の資産を攻撃し、さらに、イランの代理勢力と通じてキプロスに対しても攻撃を行っていると主張した。また、イランがホルムズ海峡の封鎖を試みていることについては、「そのような行為は通用しない」との認識を示した。
ネタニヤフ首相はこれまでの軍事行動により、イランは壊滅的な打撃を受けており、ミサイルおよびドローン戦力は大幅に弱体化し、数百基の発射台が破壊され、ミサイル備蓄にも深刻な損害が生じていると説明。イランの海軍や空軍の能力、指揮統制網の弱体化にも言及し、「まだやるべきことは残っているが、われわれは成し遂げるつもりだ」と述べ、攻撃継続の意思を明確にした。
一方、イスラエルが米国を戦争に巻き込んだとの見方を否定し、「ドナルド・トランプ大統領は常に米国と将来の世代にとって何が最善かを考えて決断を下している」と強調。トランプ大統領との緊密な連携や、両国の軍隊や情報機関の緊密な連携が目標の達成速度を高めているとの認識を示した。
会見を行うネタニヤフ首相(イスラエル政府報道局提供)
トランプ大統領は3月21日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、イランに対してホルムズ海峡を「48時間以内に完全かつ脅威のないかたちで開放」するよう要求。期限までに応じない場合「米国はイラン国内最大の発電所を最初の標的とし、各発電所を攻撃し、壊滅させる」とし、具体的な軍事行動に踏み込む姿勢を示した。なお、IMFの「PortWatch
」によると、3月15日のホルムズ海峡の通航隻数は9隻だった。
ホルムズ海峡の開放を求める米国ドナルド・トランプ大統領の「トゥルース・ソーシャル」でのコメント画面(トゥルース・ソーシャルのトランプ大統領の公式アカウントより)
また、在イスラエル日本大使館
によると、テルアビブのベン・グリオン国際空港は便数と搭乗者数を制限し、限定運用をしているという。イスラエルのミリ・レゲブ運輸・道路安全相は、治安状況の評価と安全当局からの勧告を踏まえ、「3月23日午後5時(日本時間3月24日午前0時)から、1時間当たり1便のみを運航する。到着便については乗客数の制限は設けないが、出発便は最大50人までとする」と述べたという(3月23日付「タイムズ・オブ・イスラエル」紙)。
イスラエルの軍事衝突の関連情報は、イスラエルとハマスの衝突の特集、イスラエル・米国とイランの衝突に関する中東情勢、各国の反応を参照。
(中溝丘)
(イスラエル、米国、イラン、中東、キプロス)
ビジネス短信 66010b7670e99c74






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