米アジリティ・ロボティクスとトヨタ・カナダ、ヒューマノイド導入で協業
(米国、カナダ、日本)
サンフランシスコ発
2026年03月02日
米国ロボット製造スタートアップ企業のアジリティ・ロボティクス(本社:オレゴン州セーラム)と、トヨタ自動車のカナダ製造法人トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・カナダ(TMMC)は2月19日、ヒューマノイド(注)「ディジット(Digit)」の商用導入に関する契約(Robots-as-a-Service:RaaS)を締結したと発表
した。TMMCはトヨタにとって日本国外最大の製造拠点で、2025年の生産台数は53万5,000台以上、従業員は8,500人を超える。両社はこれまで約1年間の実証実験を行っており、その成果を踏まえ、オンタリオ州の主力工場に7台のディジットを配備する(「ロボット・レポート」2026年2月19日)。
ディジットは、スポーツ用多目的車(SUV)「RAV4」の製造ラインおよび物流工程に投入され、自動搬送機(タガー)から部品入り通い箱(トート)を荷下ろしする作業を担う。製造現場では反復性が高く身体的負担の大きい業務が課題となっており、TMMCのティム・ホランダー社長は「複数のロボットを評価した結果、ディジットの採用を決定した」と述べ、労働環境の改善と生産性向上に期待を示した。
高度なロボットは既存の生産ラインへの統合コストが障壁となってきたが、同社は人工知能(AI)活用により設定作業に要する時間と導入コストを削減したと説明する。既存の工場レイアウトを大きく変更せず、人間向けに設計された環境で柔軟に作業できる点がヒューマノイドの特徴とされる。
製造・物流業界では、労働力不足と賃金上昇を背景に、ヒューマノイド導入が実証段階から商用化段階へ移行しつつある。アジリティはすでに物流大手のGXOロジスティクス、ドイツの自動車部品大手シェフラー、アマゾンなどへの導入実績を重ねている。ただし、現行モデルは重い荷物を扱う際の観点から、人間のすぐ隣で完全自律動作させるには依然としてリスクがあるとされている。同社のペギー・ジョンソン最高経営責任者(CEO)は、「次世代のディジットでは、人間と並んで安全に作業できる『協調的安全』を備えた初のヒューマノイドを目指す」と述べ、安全性の向上に取り組む方針を示した。
(注)人間の形状をモデルにした汎用(はんよう)二足歩行ロボット。
(松井美樹)
(米国、カナダ、日本)
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