米USTR、メキシコの採掘施設での労働権侵害をUSMCAパネルが認定と発表

(米国、カナダ、メキシコ)

ニューヨーク発

2026年03月30日

米国通商代表部(USTR)は3月26日、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)が定める「事業所特定の迅速な労働問題対応メカニズム(RRM)」に基づき設置されたパネルが、カナダに本社を置くオーラ・マイニング(Orla Mining)がメキシコに所有する鉱山、ミネラ・カミーノ・ロホ(Minera Camino Rojo)の金銀採掘施設における深刻な労働権侵害を認定したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

USMCAに設けられたRRMは、事業所単位で労働権侵害の有無を判定する手続きで、違反が認められれば、USMCAによる特恵措置の停止などの罰則が適用され得る。

USTRは2024年8月に、メキシコ中部サカテカス州マサピルに所在する同社金銀採掘施設での労働権侵害の疑いについて、メキシコの労働組合の申し立てを受け、RRMに基づきメキシコ政府に事実確認を要請した。その後、米国政府とメキシコ政府が労働権侵害の是正措置で合意に達することができなかったことから、USTRは同年12月にRRMに基づくパネルの設置を要請していた(2024年12月16日記事参照)。

今回パネルPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は、ミネラ・カミーノ・ロホが労働者の組合活動に介入し、同社が支持するミナス組合を優遇する措置をとり、別の労働組合であるロス・ミネロスから労働者を脱退させるため、「複数年にわたり体系的な脅迫やそのほかの行為を実施」したと認定した。その上で、これら違反に対する救済策として、公式の謝罪、団体権および団体交渉権確保のための措置、組合の扱いにおける中立性確保、退職者の復職、補償、賠償および保証金の提供などを提示した。

パネルの最終決定を受け、USTRのジェミソン・グリア代表は「RRMが、米国労働者にとって公平な競争環境を確保し、メキシコの施設が団結権および団体交渉権を侵害して不当な優位性を得ることを防ぐ上で重要な役割を果たした」とし、メキシコにUSTRに基づく労働権保護の義務を履行させるため、今後もRRMを最大限に活用する意向を示した。

(久峨喜美子)

(米国、カナダ、メキシコ)

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