ドイツ主要研究所が春季経済予測を一斉発表、中東情勢の影響評価に濃淡
(ドイツ、米国、イスラエル、イラン)
ベルリン発
2026年03月18日
ドイツの主要経済研究所は3月上旬、一斉に春季経済予測を発表した(添付資料表参照)。各研究所は共通して、防衛・インフラなどの財政拡大が景気の下支えになると分析した一方、中東情勢悪化に伴うエネルギー価格の高騰が短期的なインフレ圧力と成長の抑制につながると指摘した。ただし、中東情勢の影響の評価には濃淡があり、影響を限定的とみる研究所と、影響が大きい・不確実性が高いとみる研究所とに二分された。
キール世界経済研究所(IfW)
は成長率を2026年0.8%、2027年1.4%と予測。中東情勢悪化に伴う原油・ガス価格高騰は数カ月で沈静化するとの想定で、経済活動は明らかに弱まるものの景気後退には至らないとした。2026年のインフレ率は2.5%と、エネルギー価格上昇により前回1.8%から大幅修正した。ドイツ経済研究所(DIW)
は、2026年1.0%、2027年1.4%と予測。米国の関税措置による影響は軽微で、これまでのところドイツの輸出に顕著な影響は見られないとした。中東情勢悪化に伴うエネルギー価格上昇も、2022~2023年のエネルギー危機に比べ小幅であるとし、その理由として、ロシアからのガスや石油の依存が経済に大きな負担をかけた当時と比べ、今回は湾岸地域からの化石燃料への依存度が低いためだと説明した。
ライプニッツ経済研究所(RWI)
は、成長率を2026年0.9%、2027年1.2%と予測。中東情勢の行方が不透明なため、景気予測には相当の不確実性が伴うとした。また、特別基金(2025年3月24日記事参照)の資金が実際にどの程度迅速に執行されるかが成長にとって重要とし、プロジェクト数が増えるほど承認プロセスが長期化し、期待される成長押し上げ効果が弱まる、または時期が後ろ倒しになる可能性があるとした。ハレ経済研究所(IWH)
は、2026年0.7%、2027年1.0%と予測。中東情勢悪化によるエネルギー価格高騰は、家計の収入を圧迫し、生産コストも押し上げ、ドイツ経済の見通しを悪化させているとした。
Ifo経済研究所
は、不確実性の高さから、2つのシナリオで紛争後の予測を提示した。中東での紛争がなかったと仮定した場合、2026年1.0%、2027年1.2%の予測。紛争が大幅に長期化しエネルギー価格の上昇がより急激かつ持続的となる紛争拡大シナリオで、2026年0.6%、2027年0.8%と予測した。一方、紛争が速やかに収束に向かう紛争縮小シナリオでは、2026年0.8%、2027年1.2%と予測。中東情勢の行方により、成長率は2026年に最大0.2ポイント、2027年に最大0.4ポイントの変動があるとした。
(中山裕貴)
(ドイツ、米国、イスラエル、イラン)
ビジネス短信 5747e0c9e653d292






閉じる