ジェトロ、中国地方5県の企業と米国デザインスクールとの共創を支援
(日本、米国)
島根発
2026年03月26日
ジェトロは2月28日、中国地方5県(鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県)の工芸品・ライフスタイル用品の事業者を対象に、米国トップクラスのデザインスクールであるパーソンズ美術大学(Parsons School of Design、ニューヨーク州)と連携したワークショップを開催した。
この取り組みは、「Craftsmanship 中国地域産品の海外販路開拓支援プロジェクト(ライフスタイル用品)」の一環で、同大学に在籍する大学院生との共創を通じて、日本の同分野事業者の米国市場開拓に向けたブランディング・マーケティング戦略の策定および商品改良の支援を行うことを目的としたものだ。日本からは中国地域の各県1事業者ずつの計5事業者、米国からは同大学で「戦略デザインとマネジメント」を専攻する修士課程の学生17人が参加した。学生との連携の意義は、短期的には、学生ならではの斬新で豊かな発想力とバイタリティー、消費トレンドに敏感なZ世代ならではの感性を日本製の商品に取り込むことだ。また中長期的には、卒業後にグローバルな活躍が期待される人材に対し、早い時期から優れた日本の工芸品・ライフスタイル用品への好印象を植え付け、日本製品が海外で受け入れられる土壌を耕すことも狙いとした。
2回目の開催となる今回のワークショップでは、学生が参加事業者に対して米国市場開拓に向けたマーケティング戦略や商品改良プランなどを提案した。これに先んじて1月24日に開催された第1回ワークショップでは、参加事業者が自社の商品およびデザイン・マーケティング課題を学生に対してプレゼンし、その後、参加事業者ごとに割り振られた学生チームがプレゼン内容に関して約1カ月間かけて調査・分析活動を行っていた。学生チームの活動の中では、事前に参加事業者から送られた商品を用い、マーケットのステークホルダーに対してインタビューやエスノグラフィーリサーチ(注)などを実施する場面もみられた。
ワークショップの様子(Co Design & Strategy提供)
学生チームによるフィードバックを受けた参加事業者からは「オンライン調査では得られない1次情報が得られた点が良かった。あたかもニューヨークに自社のチームが拡大したような感覚があった」といった声が寄せられた。
本プログラムを運営したCo Design & Strategyの瀧幸乃・最高経営責任者(CEO)は「同大学が通常連携する企業は、大手企業やデジタルプロダクトを中心とするケースが多い。本プログラムでは、中小企業の経営層や職人と直接関わりながら、手で触れることのできるクラフト製品を題材にワークショップを行えた点が学生にとって刺激的だったようだ。近年米国では、若者を中心に、クラフト製品の価値が再評価される傾向がある。今回のような学生と組んで米国市場を開拓するという手法は新たな切り口となりそうだ」と述べた。
参加事業者は、ワークショップ終了後から3月下旬まで、プログラム全体での学びを踏まえて米国業界関係者との商談や面談に臨んでいる。
ワークショップを終えた参加事業者ら(Co Design & Strategy提供)
(注)人々の生活現場に入り込み、参与観察や聞き取りから文化・価値観や行動の意味を把握する質的調査のこと。ここでは、実際に商品を消費者の生活に一定期間取り入れてもらうことを通して、気付きを得る調査を指す。
(薄木裕也)
(日本、米国)
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