米小売り大手の第4四半期決算、消費者の買い控え続くも、コスト削減などで利益面は改善

(米国)

ニューヨーク発

2026年03月04日

米国小売り大手ターゲットと家電量販大手ベストバイは3月3日、2025年度第4四半期(2025年11月~2026年1月期)の決算を発表した。両社ともに、インフレに伴う消費者の買い控え傾向に直面しつつも、利益面では市場予想を上回る底堅さをみせた。

ターゲットの純売上高は前年同期比1.5%減の304億5,300万ドルで、ウォール街の予想にわずかに届かなかった。消費者が高額品の購入を控えたことが響いた。

好調だったのは、食品・飲料、美容用品、玩具で、日用品・ホーム用品も堅調だった。一方で、有料会員プログラムによる収入が前年から倍増したほか、広告事業「ラウンデル」が2桁台の成長を示したほか、オンラインマーケットプレイスであるターゲットプラスの増収(30%超)など、物販ではないサービス分野の売上高は大きく増加した。また、在庫管理の徹底やデジタル販売の効率化により、粗利益率はわずかながら改善。調整後1株当たり純利益(EPS)は2.44ドルとなり、市場予想(2.16ドル)や前年実績を上回った。

2026年通期の売上高見通しについては前年比2%前後(2025年度:1.7%減)の成長に転じる見通しで、2026年2月付で就任したマイケル・フィデルケ最高経営責任者(CEO)は「2月の売上高は健全かつプラスに転じており、これは今年の成長への回復に向けた重要な節目である」と述べ、直近の動向に手応えを感じていることを強調した。

ターゲットは低迷していた業績の回復を目指し、2026年に10億ドル規模の追加投資を実施する。店舗設備やテクノロジーへの重点的な投資により経営再建を進めている。また、店舗の人員配置を改善するための資金を捻出する目的もあり、本社の従業員や一部の地域スタッフの解雇を実施した。同社の株価は2025年に28%下落したが、フィデルケ氏への期待と予想を上回る決算を受け、2026年初来で約16%上昇している(「ウォールストリート・ジャーナル」紙(2026年3月3日)。

ベストバイの純売上高は前年同期比0.8%減の138億1,400万ドルと市場予想をわずかに下回ったほか、米国の既存店売上高も0.8%減となった。他方、販促活動やコスト管理の徹底により営業利益率は前年の1.6%から5.2%へと大幅に改善し、調整後1株当たり利益 (調整後EPS)も2.61ドルと、アナリスト予想の2.47ドルを上回った。全体の売上高は減少したものの、特に人工知能(AI)を搭載したパソコン(PC)への買い替え需要が追い風となり、PC部門は8四半期連続でプラス成長を維持した。同社もターゲットと同様、今後、既存の小売事業に加え、デジタルマーケットプレイスの拡大や広告事業といった高利益率のサービス部門を強化し、マクロ環境の不透明さを補う収益構造の構築を目指している。

(樫葉さくら)

(米国)

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