チリ、燃料価格上昇に伴う影響緩和措置を発表

(チリ、中東)

調査部米州課

2026年03月25日

チリのホルヘ・キロス財務相は3月23日、中東情勢の混乱を受けた燃料価格の上昇に伴う影響緩和措置を発表した。チリでは3月26日からガソリン価格が1リットル当たり370ペソ(約64円、1ペソ=約0.17円)、ディーゼル油は570ペソ値上がりが予定されている(注)。

キロス財務相が発表した緩和措置は次の7点。

  1. 首都サンティアゴの公共交通機関運賃の据え置き:サンティアゴの公共交通機関運賃を2026年いっぱい据え置く。
  2. 地方公共交通機関の運賃据え置きのための補助金交付:地方の公共交通機関の運賃も一定に保つため、補助金を交付する。
  3. 灯油価格の引き下げ:現在首都圏での平均価格が1リットル当たり1,350ペソの灯油価格を1,000ペソ程度に戻し、この水準を9月末まで維持する。
  4. 石油価格安定化基金(FEPP)拡充:措置の3.を実施するため、政府はFEPPを現在の500万ドルから6,000万ドルに増額する。
  5. タクシー運転手への補助:タクシー運転手の燃料購入補助のため、車両1台につき10万ペソの補助金を支給。
  6. タクシー運転手の電気自動車買い替え支援:チリ国営銀行(Banco Estado)と提携し、タクシー運転手が電気自動車に買い替えができるよう優遇融資枠を設定。
  7. 燃料税免除事業者への課税:公道を走行しないという要件で燃料税が免税となっていた事業者に一時的(当初想定は6カ月間)に燃料税を課税する。

これらの施策のうち、1.と2.については財務相の権限で実施可能だが、それ以外は議会での審議の必要があり、現在審議中だ。

チリは石油の国内消費量の約96%を輸入に頼っているため、国際価格の上昇の影響が極めて大きい国の1つだ。政府はこれらの措置を迅速に実行し、国内経済や国民への影響の軽減を図りたい意向だ。

(注)チリでの燃料費の小売価格は自由価格制だが、今般の燃料価格高騰を受け、燃料価格安定化メカニズム(MEPCO)による緩衝を政府が大幅に縮小させることとなったため、市場価格の上昇が見込まれている。

(佐藤輝美)

(チリ、中東)

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