中国、大型トラック新車販売で新エネ車が2割、主要排ガス分野で一層の対策強化へ

(中国)

上海発

2026年03月05日

中国生態環境部の李天威大気環境司長(以下、李司長)は2月27日の定例記者会見で、自動車や建設機械、船舶など(以下、「移動源」、注1)に関する大気汚染対策の進展などを説明した。2025年12月3日に発表した中国移動源環境管理年報(2025年)によれば、2024年の移動源は最大の窒素酸化物(以下、NOx)排出源で、排出量は901万9,000トン。内訳は、自動車が415万2,000トン、非道路移動源が486万7,000トン。

李司長は、中国には約900万台の大型トラックが存在し、保有台数では自動車全体の3%未満にとどまる一方、NOx排出量は75%を占めるとした。その上で、第14次5カ年(2021~2025年)規画の期間中、大型トラックを移動源対策において最重要の対象と位置付け、主に4つの観点から対策を講じてきたと説明した。

まず、基準強化を手段として、排出削減を推進した。自動車およびガソリン・ディーゼル燃料に「国6」基準(注2)を、非道路移動機械に「国4」基準を、船舶に「国2」基準を全面実施した。基準の導入により、エンジン排出源の制御レベルが向上し、排出制御技術は世界水準に追いついたと説明した。

次に、輸送構造の見直しを進め、道路輸送から鉄道や水路への転換を進めた結果、鉄道貨物輸送量、水路貨物輸送量は増加したと説明された。また、老朽化した高排出ガス自動車・機械の買い替えを推進したことで、大型トラックでは「国5」以上の基準に適合する車両の比率が48%から85%へ上昇したと述べた。

さらに、石炭、鉄鋼、電力、非鉄金属、建材などの貨物輸送需要が大きい産業を重点産業と定め、クリーン輸送の導入を推進した結果、クリーン輸送比率は80%近くまで上昇したと説明した。これらの産業を担う大型トラックは、全体の約3分の2を占める。2025年の大型トラック新車販売のうち新エネルギー車は19万8,000台に達し、新車販売に占める割合は20%を超えた。

加えて、監督体制を強化した。全国1万5,000超の排出検査機関、560万台の大型トラック、119万台の非道路移動機械が国家プラットフォームと接続され、排出状況の監督が進められた。2024年以降の集中整備により、検査機関の不正や大型トラックの排出違法行為の割合は前年比40~60%減少し、第14次5カ年規画期間中のリコール台数は累計407万台に上ったと説明された。

会見では、第15次5カ年(2026~2030年)規画の期間でも、移動源への対策を一層強化する方針が示された。李司長は、乗用車については製造段階での基準強化を進めると説明した。ディーゼル大型トラックおよび非道路移動機械では、使用段階の監督を強化し、排出違法行為や不正な検査機関を取り締まるとした。

あわせて、クリーン輸送の拡大や非道路移動機械の電動化を進め、長江流域での電動化も推進すると述べた。貨物輸送分野では、ゼロエミッション車や物流拠点の整備、充電・電池交換機能を備えた輸送ルートの構築を進める。

制度面では、自動車の国7基準、非道路移動機械の国5基準、船舶の国3基準の策定を加速し、「移動源大気汚染防治条例」の起草を開始すると説明された。

(注1)大気汚染物質の発生源のうち発生場所が移動するもの。

(注2)中国の自動車排出ガス基準は「国1」~「国6」まで6つの基準がある。数字が上がるにつれて厳しい基準となる。

(伊藤彩菜)

(中国)

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