メキシコと米国でUSMCAの見直しに関する2国間協議を行うことを公表
(メキシコ、米国、カナダ)
メキシコ発
2026年03月17日
メキシコのマルセロ・エブラル経済相と米国通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表は3月5日、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の共同見直しに向けた準備として、第1回2国間協議の開催を発表した。協議の主な議題として、(1)他地域からの輸入依存度の低減、(2)原産地規則の強化、(3)北米サプライチェーンにおける経済安全保障の強化などを挙げ、必要な措置について協議を開始するよう交渉担当者に指示した。第1回2国間協議は3月16日の週に最初の会合を開催し、その後、見直しの一環として定期的な会合を予定しているとした。
エブラル経済相は3月9日の「USMCAの見直しのための公聴会の結果」に関する会見で、上記2国間協議に関する説明を行った。他地域からの輸入依存度の低減では、医薬品製造のために必要な原薬(API)や肉類生産のために必要なアミノ酸の90%を輸入に依存していることに触れ、どのようにその依存度を減らすかを議論しているとした。また、メキシコが自動車産業の拠点となった経緯を引き合いに出し、「1年で世界の電子産業になるのは現実的ではないが、10年後なら可能かもしれない」と述べ、生産に必要な投資・インフラ整備に向けて、長期的な視点で議論を行うとした。
原産地規則の強化では、特定の業種業界に関する言及はなかったものの、「顕微鏡下のレーザーを扱うような精密な作業が必要だ」と原産地規則の取り扱いに慎重な姿勢を示し、「そうでなければ、解決している問題以上に経済的な混乱を招くことになる」と述べた。経済安全保障については、「地政学的緊張が存在し、もはや単一の覇権国家が存在せず、複数の勢力が対立している」とし、経済安全保障の観点から何が必要かを議論するとした。
さらに、メキシコは米国に輸出する製品の40%に米国製の部品が含まれているとし、米国経済との密接な関係や、メキシコの米国経済への貢献を強調した。一方で、ベトナムについて、その調達はほとんどが国内や中国などからで、米国からは何も輸入しておらず、米国の競争力に何も貢献していないとした。
USMCAの見直し時期については、「見直し交渉が始まるが、(合意に至らず)毎年見直されることになるだろう」という意見に対して、「毎年USMCAの見直しを行うことは、(競争相手である)アジアを前にして最悪のシナリオだ」と述べ、見直し交渉の早期妥結を目指すとした。
(阿部眞弘)
(メキシコ、米国、カナダ)
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