女性研究者支援策で男女格差解消へ

(英国)

ロンドン発

2026年03月26日

英国のリズ・ケンダル科学・イノベーション・技術相は3月11日、研究機関およびその資金提供者宛てに公開書簡を送付し、研究職でキャリアを築こうとする女性への支援を要請した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。博士課程研究者への有給での産休の提供、復職や柔軟な働き方へのさらなる支援を含む任意の憲章への支持を促し、男女格差の解消などの持続的な変革を推進するとしている。今後、具体的な内容を策定し、2026年の夏に憲章の全文を公表する予定だ。

英国研究・イノベーション機構(UKRI)では現在、出産女性に対する52週間の産前産後休暇のうち26週間は全額の手当が支給され、さらに13週間は法定の産前産後手当に準じた支援が行われている。この憲章では、企業、慈善団体、そのほかの政府機関を含む全ての博士課程の研究者への資金提供者に対し、UKRIと同等かそれ以上の条件を提示することを確約するよう求めている。

知的財産庁(IPO)が発表した出願者名による推計結果によると、英国の特許出願件数全体に占める女性による出願の割合は1997年の3.9~4.8%から、2024年には7.8~10.9%と2倍以上に増加したが、10%強にとどまっている。

2月24日、政府支援を受けて実施された年次報告書「FTSE女性リーダーに関する調査結果」が公表された。これによると、ロンドン証券取引所(LSE)の「FTSE350」(注1)構成企業の取締役会の女性割合(2025年)は、2024年の43.4%から42.7%に微減となった一方、リーダーシップ層(注2)では35.3%から35.9%とほぼ横ばいだった。リーダーシップ層での女性割合は部門による差が大きく、人事、秘書、法務部門ではそれぞれ82%、57%、44%であり、2025年までにFTSE350構成企業のリーダーシップ層の女性割合を40%以上とする目標は達成されている。そのほかの部門は、財務部門では22%から21%に減少し、情報部門は19%から21%に増加した。また、会長職に就く女性の割合は17%と横ばい、CEO(最高経営責任者)は7%から8%に微増だった。

(注1)ロンドン証券取引所(LSE)の株式指標。LSEに上場する企業のうち、時価総額上位350社の企業の銘柄で構成されている。

(注2)執行役員とその直属の部下を指す。

(野崎麻由美)

(英国)

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