「米州の盾」サミット開催、麻薬対策を議論

(米国、中南米)

調査部米州課

2026年03月10日

ドナルド・トランプ大統領は3月7日、マイアミに中南米12カ国(注)の首脳らを招いて、「米州の盾」サミットを開催した。同サミットでは麻薬密売や組織犯罪対策について話し合われ、軍事面での協力が想定される「米州反カルテル連合」の設立も含まれた協定が署名された。ホワイトハウスが同日発表した内容によると、具体的には、麻薬カルテル解体にあたり必要な戦闘力を有するため、米国がパートナー国の軍隊を訓練し、動員するとされている。なお、「米州反カルテル連合」には同サミットには首脳級の出席がなかった5カ国の参画もあり、米国と中南米17カ国で構成されている。

同サミットの参加国は中南米で右派、親米とされる国が多かった。麻薬対策について議論されたものの、米国に流入する麻薬の主な生産国であるコロンビアや流通の要衝となっているメキシコなどの左派政権は招待されていない。イデオロギー的な偏りがある上に、今後の麻薬対策の実効性も問題視されている。

今回の取り組みについて、台湾と外交関係のあるパラグアイのサンティアゴ・ペニャ大統領は「歴史的な一歩」と評価。エクアドルのダニエル・ノボア大統領も「極めて長い間米州はマフィアの支配領域だったが、それも終わりだ」と述べ、中南米側も参加国の首脳を中心に肯定的な見方をしている。ただ、中南米側の実益が少ない、地域の分断が深まるなどの指摘もある。

(注)中南米からのサミット参加者は次のとおり。

  • アルゼンチン:ハビエル・ミレイ大統領
  • ボリビア:ロドリゴ・パス大統領
  • チリ:ホセ・アントニオ・カスト次期大統領
  • コスタリカ:ロドリゴ・チャベス大統領
  • ドミニカ共和国:ルイス・アビナデル大統領
  • エクアドル:ダニエル・ノボア大統領
  • エルサルバドル:ナジブ・ブケレ大統領
  • ホンジュラス:ナスリー・アスフラ大統領
  • パナマ:ホセ・ラウル・ムリーノ大統領
  • パラグアイ:サンティアゴ・ペニャ大統領
  • トリニダード・トバゴ:カムラ・パサード・ビセッサー首相
  • ガイアナ:イルファーン・アリ大統領

(佐藤輝美)

(米国、中南米)

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