日本企業とも連携、ドローン貨物輸送に取り組むブルガリアのドロナミクスに聞く

(ブルガリア、日本)

調査部国際経済課

2026年03月12日

ブルガリア企業のドロナミクス(Dronamics)は、2014年に設立された民間用無人航空機(UAV)の設計・生産・運用に取り組む企業だ。ジェトロは2月24日に、同社グループマネージングダイレクターのゾルニツァ・ヤナキエバ氏とバイス・プレジデント・グロースのフリスト・フリストフ氏に、同社の事業とブルガリアのエコシステム、日本市場での取り組みについて聞いた。

同社のUAV「ブラックスワン」は350キログラムを積載し、最大2,500キロメートルの航行が可能だ。現在、物流、安全保障、防衛の3つの分野に注力するとしている。物流に関しては、当日配達の実現に向けミドルマイル(注)の物流サービスを提供することを目指しており、欧州で初めてEUのドローン規則に基づく軽量無人航空機システム向けのライセンスを取得した。国内では、まずブルガリアの首都ソフィアと同国北部のルース間で商業飛行に向けた技術検証(PoC)を実施しており、さらにソフィアと東部バルナ、ソフィアと東部バーガスの間での航行をそれぞれ検討している。安全保障に関しては、国境管理や災害対応、火災の早期検知などへの利用が可能だ。防衛分野に関しては、2月にドイツのセンサー企業ヘンソルトと提携し、ドローンの活用について取り組むとしている。

同社によれば、ブルガリアのエコシステムは、歴史的な背景からエレクトロニクスや半導体、航空、情報通信技術(ICT)分野に強みがあり、教育についても数学やコンピュータサイエンスに強みがあることからエンジニアリング人材の確保がしやすいという。資金調達環境も周辺国に比べてベンチャーキャピタル(VC)が発達しており、アーリーステージの段階では既にエグジットしたブルガリア企業の資金や政府によるファンドも活用できる。既に拡大しているドロナミクスは、欧州イノベーション協議会(EIC)や中東から資金を調達し活動しているとのことだ。

日本との関係では、カワサキモータースと、「ブラックスワン」への新たな航空エンジンの搭載に向け連携している。航空会社など他の日本企業とも、積極的に日欧双方の市場での連携に向けたパートナーシップを模索している。さらに、同社は垂直統合型の生産モデルを採用していることから、100%日本産の部材を利用しローカライズした「ブラックスワン」を製造することも検討しているという。

写真 ドロナミクスのUAV(同社提供)

ドロナミクスのUAV(同社提供)

(注)配送拠点間の移動。

(山田恭之、峯裕一郎、太田響子)

(ブルガリア、日本)

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