ジェトロ、日本真珠輸出組合と共同で日本産真珠の魅力を発信
(香港、日本)
農林水産食品部流通構築課
2026年03月18日
「香港国際ダイヤモンド、ジェム&パール・ショー」が3月2~6日に香港のアジアワールドエキスポにて開催された。本展示会では、宝飾品の素材となるダイヤモンド、その他の宝石類、真珠などがホールごとに展示される。今回は、各国・地域や業界団体によって20以上のパビリオンが出展され、会期5日間で、125の国・地域から2万8,000人以上のバイヤーが訪れた。
主催者によると、2025年の日本の真珠輸出額は約412億円、うち香港向けは355億円と全体の8割以上を占める。本展示会は、日本の真珠産業にとって市場動向の把握と商談の場として極めて重要な位置付けとなっている。
会場広告(ジェトロ撮影)
ジェトロと日本真珠輸出組合は、「ジャパンパールパビリオン」に日本産真珠のPRブースを設置した。ギャラリー形式のパネル展示で真珠のストーリーを発信したほか、廃棄漁網のリサイクル、浜辺の清掃活動、養殖場周辺での植樹など、持続可能な生産につながる取り組みを映像で紹介した。真珠は、鉱物系宝石と比較して環境負荷が低いとされ、環境配慮型ジュエリーとして評価が高まっている一方で、地球温暖化に伴う優良な母貝の確保難で生産量は減少傾向にある。真珠の安定供給の維持には、環境配慮型の取り組み強化が不可欠となっている。
ジェトロと日本真珠輸出組合の共同ブース(ジェトロ撮影)
同パビリオンには、PRブースのほか約100社の日本企業が出展し、真珠エリア全体の約半分を占める規模となった。その存在感で多くの来場者を引きつけ、他国パビリオンを大きく上回る集客を記録した。出展企業からは「初日から多くのバイヤーが来場し、想定以上の成果があった」「今後の市場拡大に向けて、日本産真珠の価値を正しく理解し、適正価格で取引できる新たな販路開拓が必要」との声が寄せられた。
にぎわうジャパンパールパビリオンの様子(ジェトロ撮影)
訪れたバイヤーにヒアリングした結果、国・地域別で消費者の嗜好(しこう)も異なることが分かった。例えば、中国では20〜40代の若年層を中心に真珠の人気が高まる一方、タイでは比較的高い年齢層からの支持が厚い。バイヤー側の観点では、日本産真珠の取り扱い歴が長いほど、価格よりも「照り」や「巻きの厚さ」など品質を重視する傾向が強いことが確認された。
国・地域ごとに嗜好の違いはあるものの、日本産真珠の高い品質は世界中のバイヤーに幅広く認知されている。長年培われた養殖・加工技術に基づく安定した品質管理への信頼は、日本産真珠のブランド価値を強固にし、各国市場における販売戦略や差別化の基盤として重要な強みとなっている。
(水口あすか)
(香港、日本)
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