キルギス、好調な建設業が経済を牽引
(キルギス)
タシケント発
2026年03月09日
キルギスのアディルベク・カシマリエフ内閣議長(首相)兼大統領府長官は3月4日、建設・建築・住宅・公共サービス省の幹部会議の中で、安定的成長を続ける建設産業が、同国経済を牽引する主要産業の1つであると述べた。「2025年の建設業の名目GDPは4,385億スム(7,673億7,500万円、1スム=約1.75円)となり、2019年から6年間で8倍に成長した」と強調した。好調な建設業は中小企業が支えた。2024年の建設生産額の半分以上は個人事業主によるものだ(「タイムズ・オブ・セントラルアジア」2025年10月3日)。
建設プロジェクトが各地で進む。2月25日には、イシククル州で政府主導の開発プロジェクト「タムチ特別金融投資区域(SFIT)」の建設開始を記念する式典が行われた。タムチSFITは、国際ビジネス支援を目的とする投資専用区域だ。総面積5,965ヘクタールの同区域には金融・ビジネスハブ、物流・サービスエリア、国際空港、観光クラスターなどを設置し、2027年までの完成を目指す。ほかにも、2024年12月には中国・キルギス・ウズベキスタンを結ぶ鉄道の建設が着工している(2025年1月9日記事参照)。
キルギス政府は、2025年6月にサディル・ジャパロフ大統領が署名した「2030年までのキルギス共和国国家開発プログラム」で1人当たりGDPを4,500ドルまで引き上げ、GDP総額は最低300億ドル、実質GDP成長率年平均8%の維持、2030年の固定資本形成(対GDP比)20%以上といった目標を掲げる。
2025年のキルギスのGDPは1兆9,764億スムとなり、前年に比べ11.1%成長した。2024年の11.5%に続く2桁成長で、中央アジアで最高水準となった。高いGDP成長率には鉱工業(前年比10.6%増)、建設業(21.1%増)および卸売・小売業(17.8%増)の成長が貢献した(キルギス国家統計委員会1月19日)。固定資本投資額は18.4%増の3,746億スムとなり、過去最高を更新した。(「インターファクス通信」1月26日)
同国では賃金上昇とインフレも顕著だ。2025年1~11月の平均月給は4万2,954スム。前年同期比で19.1%上昇した。賃金は主に不動産および建築、医療、情報通信をはじめとした分野で増加した(「カバル通信」1月19日)。消費者物価上昇率は、2月13日時点で1.8%、年率換算で9.6%に達した。食品価格は安定する一方、サービス部門・非食品分野は内外需により高止まりが続く(「アスタナ・タイムズ」2月23日)。
キルギス国立銀行(中央銀行)は2月24日から政策金利を1ポイント引き上げ、12%とした。外部経済環境の不均衡や主要貿易相手国の高いインフレ率を背景に、輸入依存度の高さから国内物価が影響を受けやすいとの判断を示した。金融引き締めによりインフレ抑制と中期的な物価安定を図る。
(竹内アイシェギュル)
(キルギス)
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