UAE市街地にもイランによる攻撃の影響

(アラブ首長国連邦、イラン、米国、イスラエル、湾岸協力会議(GCC))

ドバイ発

2026年03月03日

イスラエルと米国がイランを攻撃したことで(2026年3月2日記事参照)、イランによる報復攻撃の対象は中東湾岸諸国にも及び、アラブ首長国連邦(UAE)も被害を受けている。UAEには2月28日からミサイルおよび無人機(ドローン)による攻撃が断続的に続いており、各方面で影響が出た。

UAEの空域は3月1日から閉鎖され、エミレーツ航空やエティハド航空はそれぞれドバイやアブダビを離発着する全便を一時停止したほか、複数の航空会社が中東方面のフライトを運休した。3月1日付UAE紙「ハリッジ・タイムズ(Khaleej Times)」によると、3月1日午後4時現在(UAE時間)でサウジアラビア、UAE、エジプト、カタール、イラン、イスラエル、オマーン、ヨルダン、バーレーンの9カ国では3,990便が運航予定だったが、そのうち到着便全体の40%近くを占める1,579便が欠航となったという。

UAEへの攻撃は米軍基地のみならず、アブダビでは2月28日から3月1日未明にかけて、ミサイルの迎撃で破片が市街地に落下し民間人1人が死亡したほか、アブダビ空港やドバイ国際空港、観光地として知られる人工島のパーム・ジュメイラのホテルや象徴的な観光宿泊施設であるブルジュ・アル・アラブなどの民間施設も対象になった。さらに、中東最大の港湾で同地域のハブ港として知られる、ジュベルアリ港への攻撃があったことが報道されている(3月2日付「ロイター」)。

UAE証券取引所は3月2日と3日の閉鎖を発表(3月1日付「ロイター」)。また、UAE教育省は3月4日までリモート授業実施の指示を出した。

3月1日付国営エミレーツ通信(WAM外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、UAE国防省は2月28日のイランによる攻撃開始以降、イランからUAEに向け発射された弾道ミサイル165発を検知と発表した。このうち152発を撃墜、13発は海上に落下。巡航ミサイル2発も検知し撃墜した。イランのドローンは計541機が検知され、うち506機が迎撃・撃墜されたが、35機が国内に落下し物的損害をもたらしたという。

UAEのムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領は2月28日以降、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相をはじめとした湾岸協力会議(GCC)諸国を皮切りに、各国首脳との電話会談を実施している(2月28日付WAM外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。3月2日付WAM外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、同大統領は3月2日、米国のドナルド・トランプ大統領とも電話会談を実施し、UAEおよび中東地域における情勢の推移と安全保障に関する意見交換を行ったと報じられている。

(清水美香)

(アラブ首長国連邦、イラン、米国、イスラエル、湾岸協力会議(GCC))

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