カンボジア、ASEAN認定事業者相互承認取り決め(AAMRA)の運用開始

(カンボジア、シンガポール、ASEAN)

プノンペン発

2026年03月11日

シンガポール税関は2月13日、カンボジアがASEAN加盟国間での認定事業者(AEO、注1)の相互承認に関する取り決め(AAMRA、注2)に2月20日から参加することを発表した。これにより、カンボジアでAEO認定を取得した企業は、ASEAN(ベトナムと東ティモールを除く)向けに輸出する際、各国のAEO認定事業者と同等の取り扱いを受けることが可能となる。

カンボジアのAEO制度は2023年に運用が開始され、現在、日系企業を含む8社が認定されている。カンボジアには、縫製業やワイヤーハーネスなどの労働集約産業の拠点として、多くの日系企業が進出している。これらの企業は、原料や部品をASEAN域内から輸入し、完成品を他国に輸出しているため、サプライチェーンにおけるリードタイムの短縮が重要な課題となっている。AEO認定企業には、コンテナスキャンの原則免除や現物検査の削減といった大幅な優遇措置が与えられることから、AEO制度を活用することで輸出入時に実務上、大きなメリットが得られる。

AAMRAは2023年に署名され、これまでブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、シンガポールの6カ国間で運用されてきた。カンボジアのAAMRA参加にあたり、昨年5月に他国税関によるカンボジア関税消費税総局(GDCE)の管理体制や企業のセキュリティー体制などの共同検証がされた。その結果、カンボジアの参加が承認された。

GDCEに対する技術協力に従事する専門家は、「リージョナルなサプライチェーンで強みが出るため日系企業のAEO取得が期待される。GDCEの法務・広報課(Department of Legal Affairs and Public Relation)には、AEOに関する窓口が置かれ、2026年は認定事業者数の増加を目標としており、随時相談を受け付けているほか、企業向けAEOセミナーの開催も予定している。現在は、CNSW(カンボジアナショナルシングルウィンドウ)を通じたオンライン申請も可能になっている。ASEANの中ではベトナムとの輸出入額が最も大きいことから、今後、ベトナムとのMRA(相互承認)の運用開始が期待される」とコメントした。

GDCEウェブサイトによると、カンボジアの2025年の貿易統計において、ベトナムは輸出入ともに国別で第2位となっている。なお、輸入では中国が1位、輸出では米国が1位だ(添付資料表参照)。

(注1)AEO制度とは、貨物のセキュリティー管理と法令順守の体制が整備された事業者に対して、迅速化・簡素化された税関手続きを利用することを認める仕組み。

(注2)AEO相互承認取り決めとは、それぞれの国が認定したAEO事業者に対し、相互に税関手続き上の便益を与えることを認めるもの。

(若林康平)

(カンボジア、シンガポール、ASEAN)

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