IMFは財政赤字・公的債務への対策を提言

(モザンビーク)

マプト発

2026年03月03日

IMFは2月19日、モザンビーク政府との「4条協議」(注1)の報告書を公開外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。報告書には、2025年11月12~21日にかけて実施されたIMF・政府間の協議に基づく「スタッフレポート」や、「債務持続可能性分析レポート(DSA)」などが含まれる。報告書では、モザンビークの経済成長を阻害する主要因として、政府財政赤字と債務持続可能性の問題に焦点が当てられている。

モザンビーク政府公的債務の持続可能性については、債務超過状態にあり持続不可能という厳しい評価がDSAにおいて示された。モザンビーク政府の公的債務は2020年から2022年まで対GDP比で100%を超えており、2024年末時点でも同91.5%と高水準にある。このうち、対外債務は2020年に対GDP比97.3%だったものが、2024年には同62.5%と、減少傾向にあるのに対し、国内債務は2020年に同22.7%だったものが2024年には同29.0%と、政府資金調達における国内債務への依存が高まっている傾向にある。IMFは、政策的対応なしにこの傾向が続く場合、国内債務は2030年に対GDP比約63%に到達し、長期的には100%に達する可能性を示唆している。加えて、貿易赤字が慢性化していることで対外債務の返済・利払いのための外貨調達も困難なため、2025年末時点で輸入の4.5カ月分をカバーしている外貨準備高も、2030年には2.3カ月分まで減少すると予測している。また、公的債務に対する利払いなどを含む政府の全体的な財政赤字は、2025年の対GDP比4.5%から、2028年には8.1%へと拡大するとみられている。

IMFはこれらの課題に対する政策として、(1)公務員賃金支出の抑制などによる歳出削減と税制見直しなどによる歳入の増加による財政立て直し、(2)為替レートの柔軟性向上(注2)と金融政策による貿易競争力の強化などを提言している。

(注1)IMF協定第4条の規定に基づき、加盟国と行う協議で、IMF代表団が協議相手国を訪問し、経済・金融情報を収集するとともに、その国の経済状況や政策について政府当局者などと協議するもの。

(注2)近年モザンビーク政府は、中央銀行の為替介入などにより自国通貨メティカルの対ドル為替レートを1ドル=63メティカル台で維持している。IMFは報告書で現在のレートではメティカルは過大評価されており、輸入需要の増大など貿易における健全性が損なわれているとしている。

(松永篤)

(モザンビーク)

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