日ベトナムのピッチイベント開催、AI・脱炭素関連のチャレンジに競う

(ベトナム、ASEAN、日本)

ハノイ発

2026年02月06日

ジェトロは1月27日、経済産業省、在ベトナム日本大使館、ベトナム財政省、同省傘下の国家イノベーションセンター(NIC)と共催で、「イノ・ベトナム・ジャパン・ファストトラック・ピッチ2025(Inno、注1)」をハノイ市内で開催した。NICのドー・ティエン・ティン副所長や伊藤直樹駐ベトナム大使をはじめ、両国の企業・政府関係者など計172人(会場125人、オンライン47人)が参加した。

Innoは、事前に解決策を募った6社のチャレンジに対し、102件の応募から登壇企業(ファイナリスト)を選抜。6カ国・地域のスタートアップなど計15社(ベトナム7社、日本4社、シンガポール2社、フィリピン1社、香港1社)がプレゼンテーションを行い、チャレンジを提示した日本企業およびベトナム企業(チャレンジオーナー)などからの質疑に応じ、意見交換を行った。

6社のチャレンジ提示企業のうち、4社は人工知能(AI)の利活用、2社は脱炭素に関連する解決策を求めた。ファイナリスト側には、東京大学のAI研究拠点の松尾研究所発のスタートアップARCRAなど、ベトナム市場への展開を目指す日本企業も参加した。

イベント終盤には、チャレンジオーナー賞(6社)や、参加者の投票で選出するオーディエンス賞(1社)を発表。最終ピッチの結果、デジタル・マイクロファイナンスを提供するビー・インフォマティカ(Bee Informatica)が三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)向けの提案で受賞したほか、ベトナムなど東南アジアでコンテンツを配信するポップス(POPS)がNTT西日本向けの提案で受賞した。

さらに、サプライチェーンの可視化と物流効率の向上を支援するスマートログ・サプライチェーン・ソリューションズ(Smartlog Supply Chain Solutions)は、ベトナム大手IT企業リッケイソフト(Rikkeisoft)向けの提案で受賞した。風力タービンによる省エネを実現するクリマテック・イノベーティブ・ソリューションズ(Klimatech Innovative Solutions)は、タンロン工業団地(住友商事が運営)向けの提案で受賞した。それ以外にも、デジタルツイン(注2)とAIを活用して空間を可視化し遠隔管理を行うスターグローバル3D(Star Global 3D)は、ベトナム国営エネルギー企業のペトロベトナム向け、企業のAI利用を管理するゴープライベート(goprAIvate)は国営通信企業傘下のベトテル・ソフトウエアe向けの提案でそれぞれ受賞した。また、オーディエンス賞には、サプライチェーンの炭素排出を可視化するヌオア(nuoa)が選ばれた。

今後は、チャレンジオーナー企業とプレゼンテーションをした各社との間で、協業に向けた議論を深めていく予定だ。

写真 全体の集合写真(ジェトロ撮影)

全体の集合写真(ジェトロ撮影)

(注1)本イベントは、日本企業とベトナムをはじめとするASEAN地域および日本のスタートアップとのオープンイノベーション創出を目的とするもので、日本市場への参入や日本企業との協業を志向する海外企業に対し、短期間で具体的な連携機会を提供する「ファストトラック」プログラムの一環として実施された。

(注2)現実の物や環境を仮想空間に再現し、分析や最適化に活用する技術。

(安長裕、小野泰之)

(ベトナム、ASEAN、日本)

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