10年ぶりに「日本・スリランカ経済政策対話」開催、スリランカのグローバルサプライチェーン参画を促す

(スリランカ、日本)

コロンボ発

2026年02月27日

日本とスリランカ両政府は216日、20167月以来約10年ぶりに「日・スリランカ経済政策対話」をコロンボで開催し、松尾剛彦経済産業審議官およびK.A.ビマレンティララージャ貿易・商業・食糧安全保障・協同開発省次官を共同議長として、官民で議論した。

会合には、両国政府機関に加え、日本・スリランカ経済委員会(事務局は日本・東京商工会議所)やセイロン商工会議所など商工団体も出席し、南アジアの巨大市場を生かした域内貿易促進や、スリランカのグローバルサプライチェーン参画を目指す「輸出志向型産業回廊構築に向けたロードマップPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」の構想に基づく貿易・投資環境の整備について議論した。

写真 日・スリランカ経済政策対話にかかる協力覚書(MOC)を結ぶ両国政府代表者(ジェトロ撮影)

日・スリランカ経済政策対話にかかる協力覚書(MOC)を結ぶ両国政府代表者(ジェトロ撮影)

官民有識者がスリランカのグローバルサプライチェーン参画に向けて議論

また、ジェトロと日本・スリランカ経済委員会は同16日、「日本・スリランカビジネスフォーラム」をコロンボで開催し、約200人が参加した。

冒頭あいさつしたジェトロの奥村明子理事は、予見可能で透明性の高い制度や手続きなど、スリランカの投資環境改善を促した。日本・スリランカ経済委員会の小林文彦委員長(伊藤忠商事副社長)は、同国経済の回復を評価しつつ、財政・経済改革の継続を求めた。主賓のドゥミンダ・フランガムワ大統領上席経済顧問は、投資家保護に向けた法整備を進める考えを示し、松尾経済産業審議官は、地理的位置を生かしたスリランカの経済発展に期待を寄せた。

官民有識者によるパネルディスカッションでは、ジェトロ・ニューデリー事務所の産業調査員も務める経済産業省の長宗豊和参事官が、日本企業のサプライチェーン強靭(きょうじん)化という観点から南アジア域内貿易の深化を求めた。これに対して、インド・スリランカ商工会議所のM.ラグラマン会頭がインド・スリランカ自由貿易協定の早期見直しを提言した。三菱総合研究所の姫野貴之主任研究員は、デジタル技術を活用した港湾円滑化の重要性を指摘し、ビマレンティララージャ次官は、貿易・投資関連制度の改善を図る意向を示した。

また、ジェトロの大井裕貴コロンボ事務所長が現地日系企業の事業環境を説明し、ノムラ・リサーチ・インスティテュート・コンサルティング・アンド・ソリューションズ・インディアの沼田悠佑マネージャーがスリランカの輸出志向型産業回廊構想や輸出競争力強化に関する調査結果を紹介した。イノアック・ポリマー・ランカの吉村武ディレクターは、進出日系企業を代表して現地の製造・輸出環境を説明した。

写真 パネルディスカッションで議論を交わす登壇者(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションで議論を交わす登壇者(ジェトロ撮影)

(大井裕貴)

(スリランカ、日本)

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