中央アジアからのIT輸出額が増加

(ウズベキスタン、キルギス、カザフスタン)

タシケント発

2026年02月26日

ウズベキスタン国家統計委員会は2月13日、IT振興機関であるITパークの入居企業による2025年の輸出額が前年比60.1%増の7億2,840万ドルに達したと発表した。中央アジア諸国のテクノパークは、輸出の急速な拡大(2024年3月22日記事参照)と雇用増加を続けている一方で、高度な技術を持つ人材の不足という課題にも直面している。

カザフスタンのアスタナ・ハブは2月13日、2025年の輸出額を前年比32.3%増の6億3,380万ドルと発表した。また、キルギスのハイテクパークの入居企業による輸出も2025年に52%増の1億8,630万ドルとなった(「カバル通信」2月11日)。

ジェトロのインタビュー(2月19日)によると、ウズベキスタンITパーク入居企業の輸出額の53%を占めたのは、ITサービス(ビジネス・プロセス・アウトソーシング、技術サポートなど)、28%がKPO(ナレッジ・プロセス・アウトソーシング)、11%がクリエーティブ・ゲーム開発、8%がソフトウエアだった。他方でキルギス・ハイテクパークの入居企業の輸出はソフトウエアが中心であり、その比率は入居企業の総収益の約79%に達している。また、アスタナ・ハブは、ソフトウエア開発に加え、ゲーム開発、フィンテック、人工知能(AI)、ビッグデータなどの分野でも輸出が拡大していることを公表している。

輸出先の多様化も進んだ。2024年のアスタナ・ハブの輸出先は86カ国だったが、2025年には111カ国へと拡大した。ウズベキスタンのITパークも同様で、2025年には新たに11カ国が輸出先として加わり、合計90カ国となった。ウズベキスタンのIT輸出の主な相手国は依然として米国だが、2021年に全体の約85%を占めていた米国向け輸出の割合は、2025年には北米全体を含めても45%まで低下している。

世界の主要市場ではAI技術の導入によりIT技術職の削減傾向がみられる一方で、中央アジアのIT産業では雇用が堅調に増加している。ウズベキスタン統計委員会によるとタシケントITパーク入居企業のIT技術者数は、3万7,274人(2024年)から4万8,776人(2025年)へ増加。カザフスタンのアスタナ・ハブでは2万8,000人から3万2,000人へ、キルギスのハイテクパークでは2,859人(2024年、「24.kg」2025年1月15日)から3,000人(2025年)へと増加した。

課題は高度人材の不足だ。カザフスタンでは、特にAIおよび機械学習、サイバーセキュリティー、DevOps(注)、モバイル開発分野においてミドルおよびシニアレベルのIT技術者が不足している。ウズベキスタンの市場もジュニアレベルの人材育成に重点が置かれているため、同国で活動するロシアのIT企業は、中級・上級レベルの技術者を海外から招請せざるを得ない状況にある(「フォーブス」ロシア版2025年11月21日)。

(注)開発担当者と運用担当者が連携して迅速かつ安定的にソフトウエア開発を進める概念。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン、キルギス、カザフスタン)

ビジネス短信 ee5114456d05ed87