米ニューヨーク州、後払い決済(BNPL)業界に全米初の包括的規制を導入

(米国)

ニューヨーク発

2026年02月26日

米国ニューヨーク(NY)州のキャシー・ホークル知事(民主党)は2月23日、米国で急速に普及する後払い決済「バイ・ナウ・ペイ・レイター(BNPL)」事業者に対し、全米初かつ最も厳格な規制を導入すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。本規制はライセンス制や手数料制限、情報開示の義務化を柱としており、消費者を不透明なコストや過剰債務から保護する包括的な枠組みを構築する。

BNPLは、クレジットカードのように厳しい与信審査がなく、即時分割払いが可能なため、特に若年層を中心に急拡大した。もともとは、衣類や家電などの買回り品に利用されていたが、近年は食料品などの日用品の購入に利用するケースも増えている。他方で、その手軽さが過剰消費を招き、債務や支払い管理が不十分になる利用者が増加していることが問題視されている。米国のローン比較サイトのレンディング・ツリーの調査(注)では、BNPL利用者の41%が過去1年間に支払いを遅延していると報告されており、前年の34%からも増加傾向にある。

今回の規制により、NY州で事業を行うBNPL事業者は、同州金融サービス局(DFS)からのライセンス取得および監視を受けることが義務付けられる。

DFSの管轄下で、次の5点が実施される。

  • ライセンス制の導入:州内でBNPLサービスを提供する全事業者を監視下に置く。
  • 不当な手数料の禁止:「システム利用料(コンビニエンス料)」などの過剰な徴収を禁止し、支払いが遅れた際の延滞料やその他の罰金にも上限を設ける。
  • 信用情報への報告を明確化:ローンが信用情報機関への報告対象となるか否かについて、利用者への明示を義務付ける。
  • トラブル解決の迅速化:消費者とのトラブルが発生した際、迅速な解決を図るためのルールを設ける。
  • データ保護:消費者の個人データの不適切な取り扱いや悪用を防止する。

なお、本規制案は、2月23日から10日間および官報掲載後60日間の意見公募を経て、規則として採択された180日後に施行される。既存のBNPL事業者には移行措置が適用される。

(注)調査は2025年4月2~3日に、米国の消費者(18~79歳)2,000人を対象に実施。

(樫葉さくら)

(米国)

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