「MONO JAPAN」10周年フェア開催、山形県企業3社が日本のクラフトを欧州へ
(オランダ、日本)
アムステルダム発
2026年02月09日
オランダ・ロッテルダムで日本のクラフト・デザインを紹介する展示会「MONO JAPAN フェア 2026」が、2026年1月23日から25日まで開催された。会場は、市内のSupernova HotelおよびNieuwe Instituutの2カ所で行われた。
MONO JAPANフェアは、2016年2月にアムステルダムのLloyd Hotelで初めて開催されて以来、累計120を超えるメーカー、団体、作家などが出展し、日本・オランダ双方のクリエイター・バイヤー間の交流・協働の場として機能してきた。2023年には、オランダ人デザイナーのカロル・ベイイングス氏と、日本の前田木藝工房による漆やプラチナ、手描き装飾を施した木製テーブルウェアの共同制作が実現するなど、国境を越えたコラボレーションも生まれている。
2026年は、日本からHARIO、ヤマチク、tamaki niimeをはじめ31ブランドが出展し、オランダを中心に約3,000人の来場者が会場を訪れ盛況を博した。参加者は各ブランドの商品展示に加え、日本の職人技を体験できるワークショップや、デザインや文化に関するレクチャー、飲食イベントなど、多彩なプログラムを楽しんだ。展示された商品はその場で購入することもでき、来場者による活発な購入も見られた。
各社による単独出展に加え、山形県から鋳心ノ工房
、ワンツー
、高橋型精
が「YAMAGATA CRAFTS」として合同展示を行った。3社は山形県で2025年度に初めて設置された工芸品・デザイン雑貨の製造事業者向け「山形県県産品輸出緊急対策事業費補助金」を活用し、うち2社が実際に現地に渡航し自社商品のPRを行った。モダンなデザインが特徴的な山形鋳物のティーポットやお香立てをPRした鋳心ノ工房の増田尚紀代表は、「来場者が展示品を熱心に観察し、親子連れが日本の伝統工芸について対話しながら見学する姿が印象的だった」とし、工芸文化への関心の高さや他の欧州地域とは異なる興味の傾向を実感したという。国産木材をつかったテーブルウェアや花器を製造するワンツーの信夫正己代表は、初の海外展示会ながら展示品の多くが完売し、ものづくりの理念が現地で理解・評価された手応えを得たほか、「箸づくりワークショップも好評で関連キットが多数購入された」と述べた。両社ともBtoB向けの商談や引き合いが複数あり、今後の海外展開の可能性につながる成果を得た。
来場者に商品説明を行う鋳心ノ工房の増田代表(ジェトロ撮影)
箸づくりワークショップの様子(ジェトロ撮影)
主催者は、2026年が同イベントの10周年を記念する節目の年であり、今回のフェアが年次開催としては最終回となることを公表している。しかし、今後も文化をつなぐ精神は継続し、新章に向けた挑戦を続けるとし、オンラインストア「MONO JAPAN STORE」(2018年から運営)およびロッテルダムの実店舗(2024年11月立ち上げ)を通じた恒常的な販売・発信活動へのシフトを示唆している。
欧州市場における日本デザインの認知拡大に貢献してきた「MONO JAPAN」が、今後どのようなかたちで日本・オランダの文化交流や市場形成に寄与していくのか、引き続き注目される。
(梅田健太郎、柴田桃佳)
(オランダ、日本)
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