欧州最大級の宝飾品見本市で日本産アコヤ真珠セミナーを開催

(イタリア、日本)

ミラノ発

2026年02月12日

イタリア北部の都市ビチェンツァで1月16~20日に開催された欧州最大級の宝飾品見本市「ビチェンツァオーロ(VICENZAORO)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」において1月17日、日本産アコヤ真珠セミナーが開催された。ビチェンツァオーロは70年以上の歴史があり、毎年1月と9月の年2回開催されている。今回は1,300超のブランドが出展、外国人来場者の割合は全体の60%を占め、国別では米国がトップ、次いで英国、インド、ドイツが上位を占めた。不安定な貴金属価格や世界的な貿易摩擦が継続する中でも、ジュエリー業界ではサプライチェーン全体を通じて安定した取引が行われており、世界のジュエリー市場は堅調に拡大している。

日本産アコヤ真珠のセミナーには、主催者の招待により約30人のジュエリーバイヤーなどの業界関係者が参加。「Japan Akoya Pearls Seminar - History, Quality and Sustainability」と題して、日本真珠振興会参事の町澤竜一郎氏が登壇し、同団体が5年ぶりに更新した「真珠指針2025(Pearl Standard 2025)」の改定ポイントを解説し、世界市場における日本のアコヤ養殖真珠の魅力を発信した。

冒頭同氏は、19世紀末から20世紀初頭に日本で発明されたアコヤ養殖真珠が、天然真珠が主流の伝統的な市場でどのように認知され、世界に受け入れられるようになったかといった歴史について説明した。続いて、アコヤ真珠の「前処理」や伝統的な「調色」といった加工技術、さらに、真珠の養殖・加工の過程で排出される殻、むき身、真珠の粉、漁網などの全ての素材をアップサイクルで利用するゼロエミッションの取り組みや、海を守るビーチクリアリングなどの持続可能な活動についても熱弁した。

セミナー会場では、生き物が産み出す宝石である真珠の希少価値や、アコヤ真珠の高度な加工技術に関する質問が相次ぎ、「日本のアコヤ真珠業界の持続可能な取り組みは、環境意識が高い購買層に響くストーリーであり、ぜひセールストークに使いたい」といったバイヤーの声も聞かれ、関心の高さがうかがえた。

2025年の日本の真珠輸出額は総額約412億円で、そのうち香港向けが約355億円と8割超を占める中、イタリア向けは約4億円(前年比7.7%減)と全体の1%にとどまっており(添付資料表参照)、欧州市場への販路開拓に向けた継続的な情報発信が重要となっている。

次回のビチェンツァオーロは、2026年9月4~8日に開催予定。

写真 日本産アコヤ真珠のセミナー会場風景(ともにジェトロ撮影)

日本産アコヤ真珠のセミナー会場風景(ともにジェトロ撮影)

写真 ビチェンツァオーロ見本市会場(ともにジェトロ撮影)

ビチェンツァオーロ見本市会場(ともにジェトロ撮影)

(栗田かおる、柿迫一葉)

(イタリア、日本)

ビジネス短信 d51e89c44585439b