投資促進機関の統合と公務員給与引き上げ、次期政権に判断委ねる

(バングラデシュ)

ダッカ発

2026年02月10日

バングラデシュ暫定政権はビジネス環境の改善を目的に、外貨送金規制の緩和、銀行の健全化、輸出入手続きの簡素化、決済システムの近代化、投資家向けデジタルサービスの導入、主要港湾における外国事業者参入による運営など、一連の改革を進めてきた。

これらの改革のうち、2月12日の実施の総選挙を経て次期政権に引き継がれる重要な課題に、投資促進機関(IPA)の統合と国家給与委員会による公務員給与引き上げ勧告の実施がある。

IPAの統合に関しては、投資開発庁(BIDA)、バングラデシュ経済特区庁(BEZA)、バングラデシュ輸出加工区庁(BEPZA)、官民連携庁(PPP)、ハイテクパーク庁、南東部のモヘシュカリ統合インフラ開発庁(MIDA)が制度や優遇措置をそれぞれ運用しており、投資家がその複雑さに悩まされてきた。暫定政権のムハンマド・ユヌス首席顧問は1月26日、これらIPAを単一機関に統合する方針を決定した(「ファイナンシャル・エクスプレス」紙1月27日)。統合により、承認手続きの迅速化、重複書類の削減、規制、インセンティブの均一化が期待される。

また、国家給与委員会は1月21日、公務員給与を最大142%引き上げるよう暫定政権に勧告した。勧告は、公務員給与が大きく改定されてからの過去10年間における生活必需品や生活費の価格上昇を反映しているほか、教師、研究者、医者、科学者、エンジニアの職種では、基本給与に加えて特別手当の支給が期待される(「ビジネス・スタンダード」紙2025年9月11日)。一方、追加で発生する財政負担は年間約1兆600億タカ(約1兆3,780億円、1タカ=約1.3円)と試算されており、財政状況やインフレへの影響を慎重に検討する必要がある。暫定政権のサレフ・ウディン・アフメド財務顧問は「公務員給与の引き上げは可能な限り早く実現できるだろう。暫定政権にはわずか数週間しか残されていないが、当初予算や補正予算に組み込んだため心配ない」と述べた(「デーリー・スター」紙1月26日)。大幅な公務員の待遇改善が汚職問題の解決に寄与するか、注目される。

2月12日に総選挙を控える中、暫定政権で決定されたこれらの事項は、次期政権に引き継がれる。政権の移行がビジネスに与える影響を注視する必要がある。

(ショリフル・アロム、箕浦智崇)

(バングラデシュ)

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