2025年の山東省のAI産業営業収入は1,200億元超
(中国)
青島発
2026年02月17日
中国の山東省工業情報化庁によると、同省の人工知能(AI)関連の中核企業は1,124社となり、コア産業の営業収入(売上高に相当)は1,200億元(約2兆6,400億円、1元=約22円)を突破し、全国のAI産業規模の約10%を占めた(「大衆日報」1月10日付)。
中でも、特定分野向けの大規模AIモデルの実用化が進み、製造業の31カテゴリーを網羅する122件の特化型モデルが整備された。山東省の重点モニタリング対象となる大規模AIモデル関連企業は170社を超え、関連する営業収入は60億元を上回り、前年比で倍増した。山東省において第三者機関の評価に合格した大規模モデル製品は266件となり、典型的な応用シーンとして105件が選定・公表された。また、同省から20件のプロジェクトが国家レベルのAI発展・協力の典型的な応用事例に選ばれ、同事例への選出件数は全国1位となった。
データ対応・管理分野も成長が続いた。山東省の重点モニタリング対象となるビッグデータ企業は950社に達し、データ収集・データガバナンス・データ要素関連の重点企業の営業収入が前年比29.6%増を記録した。さらに、2,239社の企業がデータ管理能力成熟度評価(注1)に合格し、こちらも件数で全国首位を維持している。
AI計算能力の向上も顕著だ。省内の5G(第5世代移動通信システム)基地局数は27万を超え、済南市、青島市、濰坊(いほう)市の3都市が国家データインフラ建設試行地域に選定された。全省で234カ所のコンピューティングセンターが稼働し、計算能力の総規模は約23.18エクサフロップス(注2)に達した。このうち、AIによる計算の割合が51%以上を占める。同省のAI計算産業(AIサーバーやスマートクラウドサービスを含む)の市場規模は900億元を突破し、前年比で倍増した。
ロボットなどエンボディドAI(注3)の発展も目立つ。山東省は「山東省におけるロボット産業の質の高い発展行動計画(2025~2027年)」を発表し、同産業への政策面の支援を強化しており、同省工業情報化庁は、済南市、青島市、淄博(しはく)市、済寧市などで特徴ある産業クラスターが形成され、「完成機+コア部品+システム統合」の一体的な産業チェーンが確立されつつあると指摘した。また、同省のロボット製造産業の規模は320億元を突破し、エンボディドAI製品は工業での仕分け、危険度の高い作業、リハビリテーション・介護、特殊サービスなどで試験運用が始まっていると紹介した。済南市と青島市ではエンボディドAIラボも設立され、スマートコネクテッドカーやドローン製造などの産業育成が進んでいるとした。
スマート端末では、ハイアール、ハイセンス、浪潮(インスパー)、ゴアテック(Goertek)の4社が「中国電子百強」の上位20社入りを果たした。各社は、スマート家電、ウエアラブルデバイス、車載端末などの分野でヒット製品を相次いで打ち出している。山東省工業情報化庁は、青島市のスマート家電、濰坊市のメタバース・ウエアラブルデバイス、済南市のAI計算端末といった産業集積地が形成され、コアチップ、コア部品から完成品製造、サービスまでの一貫した産業チェーン構築が進んでいると評価した。
(注1)国家標準「データ管理能力成熟度評価モデル」(GB/T 36073-2018)に基づき、企業のデータ管理能力を評価する制度。
(注2)1秒間に100京回の浮動小数点演算を行う能力を表す。
(注3)「身体性」を備え、物理世界と相互作用しながら自律的に行動するAIを指す。
(朱秀霞)
(中国)
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